”アフリカの星のボレロ”は1957年のドイツの戦争映画で「撃墜王アフリカの星」のテーマ曲となっています。
第二次大戦中の北アフリカ戦線ではたくさんの西側連合軍機を撃墜し”アフリカの星(Der Stern von Afrika)”と呼ばれたドイツ軍の勇猛果敢なハンス・ヨアヒム・マルセイユ(Hans-Joachim Marseille)の伝記映画で、英雄のディレンマ(ジレンマ)と恋の逃避行を描いています。 監督はアルフレッド・ワイデンマン(Alfred Weidenmann)で、撃墜王を演じたのはヨアヒム・ハンセン(Joachim Hansen)でした。 ワイデンマンは「狙撃王」の前年に第二次大戦中のドイツ国防軍情報部のトップで反逆者(スパイ)という不可解な人物である海軍将校のヴィルヘルム・フランツ・カナリス(Admiral Wilhelm Canaris)をテーマにした「誰が祖国を売ったか?(Canaris)や、1960年の「くち紅(Il Rossetto)の前にPierre Brice(ピエール・ブリス)が1956年に主演したスパイ映画Schüsse im Dreivierteltakt(Spyhunt in Vienna)、邦題は「ヴィエナ超特急」なども監督しています。 発動機の爆音を音楽代わりに使用したシーンもある映画音楽はハンス=マーティン・マジェウスキー(Hans-Martin Majewski)でした。 戦争映画にはちょっと異質なマジェウスキーが作曲したテーマ曲は映画の全編に流れますが、マジェウスキー曰く、「戦争の英雄をテーマにした映画ではあるが、軍歌やマーチを使用すればナチのプロパガンダ映画ともなりかねない。よって過酷な戦闘場面にあえて夢見るようなメロディを使用した。」のだそうです。無謀とも捨て身ともみえる戦闘を遂行するヒーローの内面は”生きることへの熱望及び人生はの憧れ”であることを表現しているそうです。テーマ曲「アフリカの星のボレロ」の効果も相まってこの映画「撃墜王アフリカの星」が後世に残る名作となった所以でしょう。 実在したドイツ空軍のハンス・ヨアヒム・マルセイユ大尉ですが、実はナチス時代のドイツ帝国ではマルセイユ大尉の2倍もの撃墜記録を持つ大尉も存在したのです。 しかしマルセイユ大尉が撃墜したのが英米軍機が多かったために人気スター扱いでした。 マルセイユ大尉は北アフリカ上空での飛行機エンジントラブルによるパラシュート脱出の失敗で23歳の若さで死亡しましたが、生前、Rumba del Sol (又はルンバ・ア・ソル)という曲を愛聴していたと聞き、マジェウスキーはその曲を映画で使用したかったのですが外国の曲で高価な版権問題があったので、自らボレロのリズムで「Der Stern von Afrika」を作曲したそうです。 "Der Stern von Afrika" with music - YouTube ボンゴソロに続き、ギターが流れる管弦楽のもの哀しいメロディは日本でも「アフリカの星のボレロ」として人気で、色々なレコードがリリースされましたが、オリジナルは私が知らない楽団でエルヴィン・レーン楽団だそうです。 多数リリースされたそのなかでも私が持っているEPレコードは1960年当時のヒット曲「太陽がいっぱい」と組み合わせたフィルム・シンフォニック・オーケストラのカバー演奏盤でサントラでも何でもありません。 Polydor Record DP-1183 ※こちらとは画像が違います。レコード番号が同じでジャケット画像が違うとは。。。こはいかに? 中古レコードでの価格が380円から1,260円位らしいです。 同じ品番のポリドールのEPレコードでもネット上で見つかるのはいづれも私の手持ちのレコードとは画像がちょっと違いますが、時々オークションに出ています。すぐ消えるかもしれませんが、現在はこちらが私のEPと同じ。 ポリドールではB面にされた”アフリカの星のボレロ”でしたが、コロンビア盤ではA面で発売されました。 その時のB面はイギリスで1960年にNo.1大ヒットとなったThe Shadows(シャドウズ)の”Apache(アパッチ)”だったのです。 ”Apache”は日本ではデンマークのギタリストのJorgen Ingmann(ヨルゲン・イングマン)やVentures(ベンチャーズ)のバージョンが知られています。 data-count="horizontal" data-via="koukinobaaba">Tweet
by koukinobaaba
| 2008-02-01 13:18
| 音楽
|
カレンダー
記事ランキング
以前の記事
検索
|
ファン申請 |
||