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オドレイ・トトゥを愛してる、愛してない... A la folie... pas du tout (2002)

オドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)はフランスの女優です。

ちょっと変った女優のオドレイ・トトゥが日本で、いや世界で注目されたのは2001年の「アメリ(Amélie - Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain)でしょう。
貴方は好き? それとも嫌い?

Amelié
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「アメリ」 2001年
」ジャン=ピエール・ジュネ(Jean-Pierre Jeunet)が監督したロマンスコメディですが、なんといっても主演のアメリーを演じたオドレイ・トトゥが可愛かくて、クリームブリュレも美味しそうで、久しぶりにお洒落な映画を観たと感じました。
カフェのウエイトレスをしている女の子が空想の世界に遊ぶうちに、お助けマンだか意地悪ばあさんだか他人に勝手にお節介! 貴方もリセット! そんなアメリに恋心が芽生えるというお話でした。
押さえた深い赤と緑、それに黄色と、とにもかくにも色彩が綺麗!
「アメリ」でニノ・カンカンポワ役で共演したMathieu Kassovitz(マチュー・カソヴィッツ)は父親がユダヤ系ハンガリー人の映画監督だそうで、2003年に「Gothika(ゴシカ)」を監督しています。

1973年某月某実、モンマルトルの路上では・・・
モンマルトルの丘のレストランでは・・・
トリュデーヌ大通りの某所では・・・
そして、同時刻に受胎、アメリが誕生する。
さくらん坊のイヤリングが可愛いアメリの少女時代の映像をバックにクレジットに流れるYann Tiersen(ヤン・ティルセン)作曲のピアノ曲”La Valse D'Amélie”が美しい。

次は6歳のアメリ、ちょっと神経症的な両親、母親は神経質で父親は冷淡、に育てられたアメリもちょっと変わっていて学校に行かれない子供になり、空想の世界へ逃避。

レコード盤とクレープの比較は愉快。本当に似てる。

クジラ(金魚)の自殺未遂で母のストレスが悪化、金魚は川に放たれる。
その償いに母がくれたカメラでアメリはウサギの雲など楽しんでいたが、偶然の車の衝突から事故があると責任を感じてしまった。最悪は母の死、男の子を授かりたくてお祈りに行った教会の上から観光客が飛び降りて母に直撃したのだ。
変化のない日々を過ごしてアメリが自立する時を迎えた。
1997年某日、モンマルトルのカフェで働くアメリ。この48時間後にアメリの運命が急変する。
週末には電車に乗って父を訪ねるアメリは金曜日には時々映画に行く。問題は映画の内容ではなく観客の顔。
セックスは試してみたが期待はずれに終わる。
好きなことは店頭の豆袋に指を突っ込むこと。
クレーム・ブリュレ(Crème Brûlée 焦げたクリーム)のキャラメルを割ること。
マルタン運河で水切りをすること。

アメリは窓から向かいのガラス男を観察する。骨がもろいので握手もしない。20年間外出もしない。

そして、1997年某日の夜、アメリの人生を一変させたのはダイアナ妃のニュース。
テレビに気を取られて落とした化粧水のキャップを探していると床に接続している部分のタイルが剥がれた。手を突っ込んでみると菓子缶が入っている。中には古い写真やおもちゃなど40年ほど前に少年が隠した宝物だった。これを元の持ち主に返してあげることを考えついたアメリ。
近所を40年前のことを訪ね歩く。ようやく八百屋の母親から教えてもらえることができた。
この時、八百屋で果物を愛でているルシアンはJamel Debbouze(ジャメル・ドゥブーズ)が演じている。

父親に会いに行こうと夜の地下鉄に降りると歌声が聞こえてきた。椅子に座った男(盲目)がレコードをかけていた。 アメリは微笑んで小銭を入れる。

流れていた曲は酒と薬物に溺れ破壊的な人生を送ったFréhel(フレエル)が歌う”Si Tu N'étais Pas Là”
フレエルはジャン・ギャバンで有名な1937年の「望郷(Pepe le Moco)」で売春宿のマダムを演じていた。

その先には写真ボックスの床下から何かを搔き出している男あり。 これがニノ・カンカンポワ。
日本では小銭を落としたのか、時々自販機の下をかき出している人を見たことがあります。

あの盲目の老人の姿も見えるアメリが働く店でBredoteau(ブルドトー)を電話帳で探す。
ドミニク・ブルドトー、彼氏ということにして早退する。
次々とドミニク・ブルドトーを訪ね歩くが成果を得られず。
ある日、アメリが帰ってくると初対面の老人が「ブルドトーではなくてブルドドー、トトのトー」だと言う。これが例のガラス男。レイモン・デュファイエル。
ガラス男はアメリが見つけたような菓子缶から何か探し出す。
アメリにこれをあげようと紙切れを渡す。「ドミニク・ブルトドー ムフタール通り27番地」

50歳のドミニク・ブルトドーは毎週火曜日に市場で鶏を勝って丸焼きを作るのだが今日は公衆電話のせいでそれができなかった。
通りの公衆電話が鳴っているが誰も出ないのでボックスに入って受話器を取り上げたのです。でも何も聞こえませんでした。近くのバーにいたアメリが電話を切ったから。
☆公衆電話にも電話番号がありますから携帯電話がなかった昔はそんな使い方をしたことも有ったような記憶があります。(私のことじゃありません)

そして電話台にはあの菓子缶が置いてあったのです。最初は怪訝に思ったドミニク・ブルトドーですが中を見て涙が浮かんできます。やっぱり懐かしい思いでの品々だったのですね。
そしてドミニク・ブルトドーはアメリがいるバーに入ってきてコニャックを注文すると問わず語りを始める。「奇跡はきっと天使のイタズラだ。」そして隣にいるアメリに「孫に会いに行くべきだな、自分が宝箱に入る前に。」
その時、アメリは旧に世界と調和がとれた気がしたのです。 すべて完璧1
例の盲目の老人が道路を渡ろうとしているのを見つけると快活に腕を取り通りを歩きながら目に入るもの全てを陽気に説明します。

楽しそうにパスタを作ったアメリはちょっと思うことありで階下のガラス男を見ます。でも他人と関係を結べない、子供の時から孤独に育ったアメリはそのまま。
アメリはベッドの中でテレビが流している自分の死亡ニュースを観ます。 ファンタジー? 妄想?

アメリ・プーランは23歳の若さで短い人生を閉じました。心残りは父親が喉を詰まらせて死んだ時に何もできなかった異です。

アメリは父親の家に向かいますがドアにはチェーンがかかっていたのでナメクジが這っていた庭の小人の人形を外して持ってきました。すると地下鉄でまた写真ボックスの床下を搔き出しているニノ・カンカンポワを見たのです。彼が顔を上げたときアメリの心臓はときめきました。が、彼は「だんな、おーい、だんな」と男性を追い掛けて駅の外に駆け出したのです。車に乗って去っていく男性をオートバイで追い掛けた時、荷物入れを落としていきました。アメリが開けてみると写真ボックスで撮られたのに破いて捨てられた写真の復元アルバムだったのです。
一つ気になることは他のいくつかの写真ブースで同じ男が写っているのが気になります。 幽霊?
最後にこの謎が解けます。 お化けじゃなかったんだ。 とホッとしたアメリ。

お話はこれで終わるかと思いきや、今までずっと孤独だったアメリが超ハッピーになる日がやってくるのです。

☆アメリの働く店で客が注文したモレスクとはアニスの匂いがする仏リキュールのパスティスをアーモンド・シロップをちょっと加えたカクテルのことだそうです。

Amelie Trailer - YouTube

  
前代未聞に映像がカラフルで美しい映画は口で、あるいは言葉で説明することはできません。

「アメリ」 オリジナル・サウンドトラック
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映画「アメリ」の音楽はヤン・ティルセン(Yann Tiersen)の作曲ですが日本には試聴がないようなのでフランスのAmazon.fr - Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain

愛してる、愛してない...
☆波に乗ったオドレイ・トトゥが2002年にはレティシア・コロンバニ監督の「愛してる、愛してない...(À la folie... pas du tout )」でも空想家の女の子を演じています。こんどはウエイトレスではなくて美術学生です。バラの花びらを1枚ずつちぎって、好き、嫌い、好き、嫌い・・・
今度は病的に勝手に妄想!サイコ!
À la folie... pas du tout - YouTube

愛してる、愛してない...
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COCO AVANT CHANEL (2009)
昔、私が好きだった服飾デザイナーのココ・シャネルの幼少時代、つまり有名デザイナーのシャネルになる前を描いた映画に「ココ・アヴァン・シャネル」があります。

父親に見捨てられた寄宿舎での生活から15年、いつも一緒の姉とお針子時代に夜は酒場で歌うガブリエル(Gabrielle 'Coco' Chanel)を適役のオドレイ・トトゥが演じます。そこでレパートリーの歌”ココ(シビレエイ)”から呼び名はココがピッタリと言った店の常連の男爵と結婚するからココとは一緒に歌えないという姉のエイドリアンと別れ、エティエンヌ・バルサン将校の家があるパリに行き嘘をついて強引に泊まります。酔った男爵がカフスボタンを外してくれと言うのをココが拒否した時、バルサンは日本の芸者の話しをします。男のために何でもしてくれる。(奴隷のように)
競馬に連れていっても席には入れずに芝生に置き去りにされたココは男爵と結婚すると信じている姉に出会う。
約束の二日が過ぎて馬車で駅に送られる時、ココは決心した。この家を出ない。
貧しさゆえに手持ちの服は限られていたが、ファッション・チェックが厳しいココはバルサンの友達の女優Emilienne d'Alençon(エミリエンヌ)にアドバイスして自分の麦わら帽子(キャノチエ)をあげたりバルサンの服を自分用にリフォームするが、家から追い出したいバルサンはパーティの席で酒場での持ち歌”ココ”を歌わせる。今に見ていろと思うココ。
ポロ競技のある日にイギリスからの客人Arthur 'Boy' Capel(ボーイ)が置いて行った本は「貧困の哲学」。バルサンと違ってココのボーイッシュなシンプルさを讃えるボーイにココは初めての恋をします。
女優のエミリエンヌに招待されて芝居を観た後、自活したいココは仕事を頼み帽子のデザインを手がける。
初恋のボーイと旅先で行ったカジノの舞踏会のためのドレスも自分で注文を付けて作らせました。しかし私生児のボーイは資産家のイギリス女性と結婚する予定だったのです。
最期には結婚しようと言ったバルサンに囲われていたココは自活するためにパリに出て行き帽子作りから始めます。出資したボーイが店に訊ねて来てカンヌでバカンスを過ごすことに。しかしボーイは交通事故で死亡。
衣服のデザインを手がけるようになったココはパリの一流デザイナーに。
有名なシャネルスーツの誕生となるのです。
こうしてココは上流社会でのし上がって行きました。
映画のラストシーンではパリコレのフィナーレで階段に座ったココ、黒いブレード付きの白いシャネルスーツに黒のインナー、パールのネックレスがあでやかな姿です。

☆ 「ココ・アヴァン・シャネル」のDVD(ASIN: B002AQTCXI)は2010年に販売されています。

オドレイ・トトゥの日本での映画デビューはロベール・オッセンも出演した1999年の「Vénus beauté (institut)(エステサロン/ヴィーナス・ビューティ)」となっています。
この後も邁進するオドレイ・トトゥは「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」のRon Howard(ロン・ハワード)が監督する2006年の「The Da Vinci Code(ダ・ヴィンチ・コード)」にヒロインの暗号解読官役で活躍していますが、2011年の「La délicatesse(ナタリー)」ではハンサムなフランソワから突然のキスとキーチェーンのリングを捧げられて結婚したのにアッというまに未亡人となり悩んでいたところ、今度は衝動的に自分から冴えない同僚マーカスにキスをしてしまい真面目な彼を狂わせる不思議ちゃんな女性を演じます。彼から貰った子供の頃を思い出させるペッツのプレゼントにほろり。
2013年には「L'écume des jours(ムード・インディゴ うたかたの日々)」でRomain Duris(ロマン・デュリス)と共演します。ロマン・デュリスは2004年の「Arsène Lupin(ルパン)」や「De battre mon cœur s'est arrêté(真夜中のピアニスト)」で主演している個性的なフランス人の俳優です。
そして同じく2011年にオドレイ・トトゥのすごい演技力を見せた映画「Thérèse Desqueyroux(テレーズの罪 テレーズ・デスケルウ)」で愛のない上流階級の結婚を疎んじて夫にヒ素を飲ませて毒殺しようとした女性を演じています。

by koukinobaaba | 2007-10-18 22:25 | 映画
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