Ronnie Self (1938 –1981)
カントリーやロックンロールやR&Bを取り混ぜたサウンドのロニー・セルフはまさにロカビリー! ロカビリーはカントリーのヒルビリーがロックンロールの波に乗ったジャンルだと思いますが、Charlie Feathers(チャーリー・フェザース)やGene Vincent(ジーン・ヴィンセント)などのようにカントリー特有のヒカップ(hiccup)歌唱を取り入れた奇抜とも独創的ともとれるロニー・セルフはパンクロッカーばりのダミ声ともしゃがれ声(ハスキー)ともいわれたそうです。 まるでElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)かJerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス)といったところ。 なのに、本国アメリカでは一流の歌手の仲間入りを果たしていないようなのです。ただしシャウトする熱狂的ステージを見たロカビリーファンには永遠のイコンとなっているようです。少なくとも私はそう思っています。 本国ではさほど評価されなかった分、ヨーロッパでは伝説のロカビリアンとして知られたとか。 アルコール中毒や常軌を逸した行動や暴力沙汰がロニー・セルフの成功を妨げたのかもしれません。(一見したところ温和ですが) ちなみにロニー・セルフの写真はあまり見つかりません。 Phillip Morris Caravan Phillip Morris(フィリップモリス)という煙草の宣伝カーのツアーにカントリー歌手の一人としてロニー・セルフが参加して歌ったロカビリーはその熱演ぶりが好評を得て1957年にシングルで”Big Fool”と”Flame of Love”をリリースしたそうです。しかしこの時はいずれもチャート入りせず3曲目の”Black Night Blues”などは1990年までリリースさえもされませんでした。 Ronnie Self - Big Fool - YouTube Ronnie Self - Black Night Blues - YouTube Bop-a-Lena ! 当時レコード・プロデューサーだった怖いMitch Miller(ミッチ・ミラー)おじさんの反対にも関わらず、ロニー・セルフはコロンビアレコードと契約した最初のロカビリー歌手と言われたそうです。 1957年に吹き込んだカントリー・ソングは”You ain't nothin' but a Hound Dog”ならぬ”Ain't I'm a Dog”でローカルヒットでしたが、カントリーのWebb Pierce(ウエブ・ピアース)とMel Tillis(メル・ティリス)が作ったパンクロック調の”Bop-A-Lena”を続いて録音し、1958年のビルボードのチャート入りを果たしました。 タイトルがロカビリーで一世を風靡したジーン・ヴィンセントの”Be Bop A Lula”にちょっと似ている曲ですがこれでロニー・セルフのロカビリー歌手としての面目躍如といったところでした。 1956年にDick Clark(ディック・クラーク)に司会が代わって若者に人気だったテレビ音楽番組のAmerican Bandstand(アメリカン・バンドスタンド)にも出演したのです。そしてこの曲がヒットした後に”Pretty Bad Blues”がリリースされた後の1957年の12月に結婚したのです。 Ronnie Self - Bop-A-Lena - YouTube Ronnie Self and Brenda Lee 十代の頃から曲作りをしていたというロニー・セルフは1956年の”Pretty Bad Blues”や”Three Hearts Later”などの後もたくさんの曲を作っては自身で歌ったので歌手としては売れなくても作曲した曲の印税で十分な収入はあったのだそうです。 特筆すべきは私が昭和30年代中頃に始めて購入したポップスのレコードはダイナマイト娘のBrenda Lee(ブレンダ・リー)がデッカからリリースした1960年シングル(EP)のA面B面となった”I'm Sorry"と"Sweet Nothin's”でしたがソングライターのDub Albrittonと組んで書いたロニー・セルフの曲だったのです。 この2曲でロニー・セルフは作曲家としての成功を納めたといえます。 有名な歌手ではゴスペルのJake Hess(ジェイク・ヘス)が1969年に吹き込んだ”Ain't That Beautiful Singing”はでグラミーを受賞したそうですがこれがロニー・セルフの曲だったそうです。 Big Town by Ronnie Self 映画で使用された曲ではロニー・セルフが作曲したブレンダリーの”I'm Sorry”に続いて”Sweet Nothin's”がダントツです。 日本でもA面B面に両曲を収録したドーナッツ盤が発売されましたが、このデッカのEPが私が初めてお小遣いで購入したレコードだったのです。 ロニー・セルフが作曲して自身で歌っているのは、マット・ディロンとダイアン・レインが出演した1987年の映画に「The Big Town」です。 50年代のシカゴを舞台にギャンブラーとストリッパーの出会いを描いたストーリーでしたからサウンドトラックは当然フィフティーズのオンパレード。 Little Willie John、Johnny Cash、Ray Charlesなどに混じってロニー・セルフが1950年代中頃に書いた”Big Town”が使用されました。 ”Oh yeah - Big Town, Big Town Every night's Saturday night Anything - anywhere - anytime ...”と歌われたBig Townは映画の予告編でも流れましたが私はロニー・セルフの作った歌ではこの曲が一番好きです。 Rockabilly Classics by Ronnie Self ![]() The Big Town Soundtrack ![]() Mr. Frantic Is Boppin' the Blu by Ronnie Self ![]() Mr. Frantic Is Boppin' the Blu (2001) - CD Ronnie Self 試聴はMr. Frantic Is Boppin' the Blu - Amazon.com ”Money Honey”や”Long Train to Memphis”などは本当にエルヴィスそっくり! ジーン・ヴィンセントも1971年のアルバムに収録したHigh On Life" と "The Road Keeps Winding" in 1968 with Dale Hawkins producingでAMY Recordsから、続いて1969年には”Long Distance Kiss" and "Ain't I Dandy"を他のレーベルで吹き込んだそうです。 Tweet
by koukinobaaba
| 2011-06-26 10:38
| 音楽
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