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マーティ・ペイチ Marty Paich

Marty Paich (1925 - 1995)

日本ではグレン・ミラーやベニイ・グッドマンのようには知られていませんが1925年にカルフォルニアで生まれたマーティ・ペイチ(マーティ・パイクとも)は1950年代にショーティ・ロジャース楽団に在籍した後に自己の楽団を結成し、クールジャズのウエスト・コーストで活躍したそうです。
ビッグバンド時代に楽団を指揮したバンド・リーダーであり、ピアニストとして活躍しましたが、特筆すべきはその素晴らしいアレンジであります。

Marty Paich's Dek-tette
1955年にレーベルをDeccaからBethlehemに変えたスキャットが素晴らしいメル・トーメ(Mel Tormé)のアレンジを手掛けたことから10人編成の”Dek-tette”を結成してメル・トーメのアーティストとしての成功への道を築いたとも云われています。
Mel Tormé and the Marty Paich Dektette (1988) - The Goodbye Look - YouTube
マーティ・ペイチがアレンジを手掛けてメル・トーメがウエスト・コーストのクールなミュージシャンたちと録音したアルバム
Lulu's Back in Town by Mel Torme
試聴はAmazon.com
アルバム画像はたくさんの小さな自動車で構成されたカリカチュアです。
☆英語だが後で読みたいと思っているMel tormé & marty paich's dek-tette - Jazz.com

一説には1955年のディズニーアニメのわんわん物語(Lady and the Tramp)のサウンドトラックの音楽を担当したという情報を見たのですが、映画のクレジットではソニー・バーク(Sonny Burke)とペギリー(Peggy Lee)と共同作品なっていますから編曲したということでしょう。

Jazz for Relaxation
マーティ・ペイチもメル・トーメも好きなのがクールジャズの代表格のジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)ですが、50年代のウエストコーストのクールジャズのナンバーをアレンジしたオリジナル録音が1956年のアルバムにはWhat's New?やLullaby of the Leavesなど8曲を収録してあります。
演奏メンバーはピアノがマーティ・ペイチ、ベースがジョー・モンドラゴン、マリガンのコンボでChico Hamilton(チコ・ハミルトン)の後にドラムを担当したLarry Bunker(ラリー・バンカー)です。
下記の「踊り子」や「お風呂」同様にジャケット画像は好き好きで喜ぶ人あり嫌う人あり。
試聴はAmazon.com

The Broadway Bit/I Get a Boot out of You
なんと十代からトリオやカルテットからオーケストラまで結成したというマーティ・ペイチが録音したレコードでは1959年、ジャズのスタンダードを収録した「I Get a Boot Out Of You」と、ブロードウェイ・ミュージカルのヒット曲を集めた「The Broadway Bit」が有名だそうです。 その当時、麻薬禍だったが素晴らしいアルトサックス奏者のArt Pepper(アート・ペッパー)が参加しているレコードですが、要望が多いことから1974年と2007年にアナログ・レコードの復刻盤としてリリースされたそうです。
現在では17曲を収録した「The Broadway Bit/I Get a Boot out of You」としてCD化されていますが、これも入手困難だそうです。
I Love ParisやIt Don't Mean A ThingからMoanin'やViolets For Your Fursまで全17曲を収録したアルバムの試聴はFnac.com

The Broadway Bit
マーティ・ペイチがピアノを演奏、アルトサックスをアート・ペッパー、ベースをスコット・ラファロ(Scott LaFaro)、クラリネットがジミー・ジュフリー(Jimmy Giuffre)、テナーサックスが(ビル・パーキンス(Bill Perkins)というメンバーです。
☆「ブロードウェイ・ビット」(SHM-CD/紙ジャケットCD)という国内盤があり試聴できます。アルバム画像は有名な「踊り子」でございます。
「ブロードウェイ・ビット」の試聴はAmazon.co.jp

I Get a Boot out of You (1959)
マーティ・ペイチがワーナー・ブラザースレコードで吹き込んだイージーリスニングの初アルバムで、ウエストコーストのミュージシャンをフィーチャーしています。
☆「アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー」(SHM-CD/紙ジャケットCD)という国内盤があり試聴できます。アルバム画像は有名な「お風呂」でございます。
演奏はアルトサックスのアート・ペッパーの他は、トランペットのジャック・シェルドン(Jack Sheldon)、ヴァルブ・トロンボーンのボブ・エネボルゼン(Bob Enevoldsen)、ヴィヴラフォンのヴィクター・フェルドマン(Victor Feldman)、ドラムのメル・ルイス(Mel Lewis)、ベースがジョー・モンドラゴン(Joe Mondragon)、ピアノがラス・フリーマン(Russ Freeman)、トランペットがコンテ・カンドリ(Conte Candoli)などです。
「アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー」の試聴はAmazon.co.jp

マーティ・ペイチはこんな顔
マーティ・ペイチ Marty Paich_b0002123_18555864.jpg
Paich Ence: Complete Studio Sessions As A Leader (1955-1956)
Stranger In The Rain やTake The A Trainなど全20曲を収録したアルバム「Paich-ence」が2006年にもリリースされていますが試聴は見つかりません。


レコーディングしたアーティストにはメル・トーメはもちろんのこと、アニタ・オデイ(Anita O'Day)、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)、レイ・チャールス(Ray Charles)、アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)、サミー・デイヴィス・ジュニア(Sammy Davis Jr.)などから現地時間で2009年6月25日に亡くなったマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)までたくさんいます。
ジャズマンではスタン・ケントン(Stan Kenton)、シェリー・マン(Shelly Manne)、スタン・ゲッツ(Stan Getz)、アート・ペッパー(Art Pepper)、バディ・リッチ(Buddy Rich)、ショーティ・ロジャース(Shorty Rogers)、チェット・ベイカー(Chet Baker)、レイ・ブラウン(Ray Brown)などです。
1963年頃にサミー・デイヴィス(Sammy Davis Jr)がMarty Paich's OrchestraをバックにRepriseで録音した”California Suite”や”A Stranger in Town”などもメル・トーメのオリジナルをマーティ・ペイチがアレンジしたそうです。

Hank Crawford with The Marty Paich Orchestra
マーティ・ペイチが60年代には商業的なレコーディングに取り組んだそのなかでもテナーサックス奏者のハンク・クロフォード(Hank Crawford)がストリングスと共演した1963年のアトランチック盤が人気です。
Atlantic 60th: Jazz Cool, Jazz Hot
試聴はLibero.it
Atlantic 60th: Jazz, Shaken Not Stirred
試聴はLibero.it

The Marty Paich Quartet featuring Art Pepper
アルトサックス奏者のアート・ペッパー(Art Pepperト)をフィチャーしてYou And The Night And The Music、Over The Rainbow、All The Things You Areなどのスタンダード曲の他にSidewinderやMarty's Bluesのなど全9曲をを収録した1956年のアルバム「Art Pepper Tune: What's Right For You」又は「Marty Paich Quartet」又は「Marty Paich Quartet, Vol. 9」ではマーティ・ペイチがピアノを演奏しています。麻薬で投獄されたアート・ペッパーが最初にレコーディングしたアルバムで、カルテットの他のメンバーはベースのBuddy ClarkとドラムのFrank Cappです。
試聴はBarnes & Noble.com
What's Right For You - YouTube
Over The Rainbow - YouTube

Piano Quartet
マーティ・ペイチの他3名のピアニストで編成したMarty Paich Piano Quartet(マーティ・ペイチ・ピアノ・カルテット)のアルバムとしては1960年にハリウッドのスタジオで録音された「Piano Quartet」(ASIN: B000027S4B)もしくは「Lush Latin And Cool」がありましたが現在は入手困難です。
収録曲はHonky Tonk Train、Honeysuckle Rose、Stella by Starlight、Cumana、Canadian Sunset、St. Louis Blues Boogie Woogie、Misirlou、One O'Clock Jumpなど全12曲でスウィングとラテンをミックスしたアルバムで、ジャズ・ピアニストがPete Jolly(ピート・ジョリー)とJimmy Rowles(ジミー・ロウルズ)とJohn Williams(ジョン・ウィリアムズ)、アルトとテナーサックスはアート・ペッパーとBud Shank(バド・シャンク)、トランペットがStu Williamson(ステュ・ウィリアムソン)、ドラムがMel Lewis(メル・ルイス)、ギターがBill Pittman(ビル・ピットマン)などです。
”Honky Tonk Train”が聴けるMarty Paich - Piano Quartet - Waxidermy.com
(”Marty Paich - Honky Tonk Train.mp3”をクリック)

Art Pepper Marty Paich sessions by Mel Tormé
マーティ・ペイチが編曲指揮を手掛けた24曲を収録したメル・トーメ名義のアルバムの試聴はFnac.com
Mel Torme - Sweet Georgia Brown & Just in Time - YouTube

☆80年代や90年代にはストリングスやシンフォニーのアレンジで大活躍したマーティ・ペイチのオフィシャル・サイトはThe Official Marty Paich Website


by koukinobaaba | 2009-06-29 18:33 | 音楽
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