2001年にバリー・レヴィンソンが監督した犯罪映画に「バンディッツ」という銀行強盗を描いたコメディがあります。
このように愉快で悲しい映画は滅多にありません。 ※ちなみに映画のタイトルの”Bandits”とは”Banditの複数形で強盗とか山賊とか詐欺師の意味だそうです。 刑務所を脱走した主犯格のジョーをブルース・ウィリス、その相棒のテリーをビリー・ボブ・ソーントン(Billy Bob Thornton)が演じていますが、実際にデヴィッド・ベッカムと同じ強迫性障害に悩んだことをパロディにしています。実際にソーントンはマイ・フォーク&ナイフを持ち歩くほど潔癖癖があるそうですが、映画でもアイスのスプーンはプラスチックにしてくれなんて言っていました。 そしてその二人を愛してしまう赤毛のケイトをケイト・ブランシェットが演じていますが、1999年の「The Talented Mr. Ripley(リプリー)」や2004年の「The Aviator(アビエイター)」なんかでは見られないほど素晴らしい役どころです。特に好きなケイトは伸びる蛇口をマイク代わりにキッチンで”Holding Out for a Hero ”(ボニー・タイラー)をバックに踊りながら料理をするシーン。この後、絶望したケイトはお泊まり強盗(Sleepover Bandits)に参加することに。ちなみにケイト・ブランシェットとビリー・ボブ・ソートンは1999年の「Pushing Tin(狂っちゃいないぜ)」でも共演しています。 Cate Blanchett in Bandits - YouTube 「バンディッツ」、これが笑えるのなんのって、こんな強盗なんて見たことないというようなハッタリをかまして、人は傷つけずに保険が下りる範囲で金庫の札束を頂いていくという痛快クライムムービーなのです。 有名人になったバンディッツはジョーの従兄弟のスタントマンが仕掛けをして二人は死んだことに。 バンディッツの夢はアカプルコでカジノ経営! ところでスタントマン志望のジョーの従兄弟(トロイ・ギャリティ)がナンパしてバンデッツの仲間入りをした女の子のクレールを演じたのはジャニュアリー・ジョーンズでした。後にブルース・ウィリスと離婚したデミ・ムーアが再婚したアシュトン・カッチャーとその当時は交際中だったとか。 日本のオフィシャルサイト「バンディッツ」は消滅しました。 Bandits Trailer (2001) - YouTube 「バンディッツ」の音楽はクリストファー・ヤング(Christopher Young)ですが、サウンドトラックにはテーマ曲の”Bandits Sweet”以外は、全編通してアレサ・フランクリンやボニー・タイラーなどの60年代や70年代のロックやフォークやブルースの素晴らしい曲が使用されています。 クリストファー・ヤングは1994年の告発(Murder In The First)、1996年の真夏の出来事(Head Above Water)、2001年のソードフィッシュ(Swordfish)、2001年のスウィート・ノベンバー(Sweet November)などたくさんの映画音楽を手掛けています。 バンディッツのサントラについてはBandits Soundtrack - IMDb Jimmy Page and Robert Plant - Gallows Pole - YouTube Bob Dylan - Tweedle Dee and Tweedle Dum - YouTube U2 - Beautiful Day - YouTube Grover Washington Jr. - Just The Two Of Us - YouTube Mark Knopfler - Rudiger - YouTube Pete Yorn - Just Another - YouTube Tanita Tikaram - Twist in my Sobriety - YouTube ※マーク・ノップラー(Mark Freuder Knopfler)は70年代にロックグループ”ダイアー・ストレイツ((Dire Straits)”を結成していたイギリスのミュージシャンでギタープレイが素晴らしい。(アォッ!と叫ぶStingをフィーチャーした1985年のMoney for Nothingが有名) ※ピート・ヨーン(Pete Yorn)はニュージャジー出身のミュージシャンで、ジム・キャリーとレニー・ゼルウィガーが出演した2000年の映画「ふたりの男とひとりの女(Me, Myself & Irene)」の音楽を担当し、”Strange Condition”が使用されたことから世界的に知られるようになった。その後も2001年のオレンジカウンティ(Orange County)、2002年にトビー・マグワイア が主演したスパイダーマン(Spider-Man)などでも音楽に関わったらしい。 ※タニタ・ティカラム(Tanita Tikaram)は”Twist in my Sobriety”のヒットで知られる80年代のイギリスの特異な女性ミュージシャンで、低音でハスキーな歌声は注目に値する。 ※グローヴァー・ワシントン・ジュニア(Grover Washington Jr.)はジャズフュージョンのテナーサックス奏者だが1980年のアルバム「Winelight」に収録されたビル・ウィザース(Bill Withers)のボーカルの”Just The Two Of Us(クリスタルの恋人たち)”がヒットした。 ※ジミー・ペイジ & ロバート・プラント(Jimmy Page and Robert Plant)はイギリスのロックミュージシャンではジミー・ペイジは60年代後期に”The Yardbirds ”を経て”Led Zeppelin”に所属していたギタリスト、ロバート・プラントは”Led Zeppelin”のリードボーカルでした。”Gallows Pole ”はLed Zeppelinの代表曲のひとつ。 「バンディッツ」に出演したビリー・ボブ・ソーントンを見るとブラッド・ピットの前にアンジェリーナ・ジョリーが結婚していたことが不思議に思えます。 しかし多才で私生活ではかなりの洒落者のビリー・ボブ・ソーントンは美人女優やモデルと何度も結婚離婚を繰り返し若いローラ・ダーンとも交際があったようです。アンジェリーナとは2002年に離婚したのですがその後は結婚せず性格がぴったりだったので元の鞘に納まるのではという希望を持っているのだそうです。 1980年頃までロックバンドで歌っていたビリー・ボブ・ソーントンは声も低音で素晴らしくアルバムを何枚もリリースしています。”Everybody's Talkin'”はアルバムの「The Edge of the World」に収録されています。 下記は映画では気が付かなかったが「ライオンは寝ている」はビリー・ボブ・ソーントンのセリフにはあった。 Mustang Sally by Wilson Pickett - YouTube The Tokens - The Lion Sleeps Tonight - YouTube Dionne Warwick Walk On By 1964 - YouTube
by koukinobaaba
| 2008-11-19 13:42
| 音楽
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