久しぶりに感動しない映画を観ました。
感動しないとは内容が不条理劇なので私にはとうてい理解できないということです。 そして邦題の「特別な遊び 揺れる女」というのも納得できません。 テレビ用映画だからか、原案、制作、監督及び脚本ともにイタリアのフランコ・インドヴィナ(Franco Indovina)だそうです。この作品以外には1967年の売春婦を描いたオムニバス映画「愛すべき女・女(め・め)たち(Les Plus vieux métier du monde)」の第1話(L'Ère préhistorique)の監督としてしか日本では知られていないようですが本国では6作ほど監督しているようです。 私が観た1970年のイタリア映画「Giochi particolari」は日本未公開ですが邦題は「特別な遊び~揺れる女」というのだそうです。出演者は豪華です。イタリア映画の代表ともいえるマルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)と国際女優のヴィルナ・リージ(Virna Lisi)、それに後に4代目の007ジェームス・ボンドになるティモシー・ダルトン(Timothy Dalton)だけです。 ヴィルナ・リージはマルチェロ・マストロヤンニと1964年に「カサノヴァ'70」や、カトリーヌ・スパーク(Catherine Spaak)が出演した1968年のオムニバス映画「女と男と金(Oggi, domani, dopodomani)」の中の一話「L'ora di punta」でも共演しているそうです。 映画のデータベースではこの”Le Voyeur”をサスペンス・ラブストーリーと書いてありますが、犯罪性はなく何不足ない暮らしに退屈している夫(マルチェロ・マストロヤンニ)とその美しい妻(ヴィルナ・リージ)のつかみ所のない 冷めた状態を描いています。よくあるシチュエーションですが倦怠期の夫婦と行きずりの若い男が絡んだ結果がどうなるか。この映画ではなぜ?という最悪のラストでした。サービスのつもりか、わざとらしい妻の濡れネズミシーンもさほどセクシーでもなく、怪しいはずの若い男もお行儀が良くて美人妻を誘惑などしていません。ひたすら夫が一方的にそう仕向けているのです。妻の戸惑いもいまいち緊迫感にも欠けているように見えたし、ラストの妻の驚愕も現実味がみられず嘘泣きかと思ってしまうほどでした。 遊びのように妻をいろいろと試してみたら、やはりシナリオ通りになったので絶望して死を選んだのか、夫の奇行にうんざりしていた妻は解放されて安堵したのか。いずれも理解不能、迷惑なのは倦怠夫婦の危険な遊びに付き合わされた若者じゃないでしょうかね。 ブラックユーモアやコメディというなら分かりますが。 私はどうやらマルチェロ・マストロヤンニの”悩める夫映画”を見過ぎてしまったのかもしれません。素性の知れないティモシー・ダルトンは良かったですが、まさかジェームス・ボンドになるとは思えませんでした。 映画の音楽はエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)が担当しているそうですが、特に気を引かれた曲もなかった。 さすが、イタリアの映画サイト!「特別な遊び~揺れる女」の写真が見られます。 Giochi particolari - FILM.TV.IT もっとすごい! ロシア語のサイトですが大きな映画ポスターも見られる! この映画についてこれほど詳しいサイトは他にはありません。 「奇妙な映画だが音楽が良い」と書いてあります。(ロシア語から英語に翻訳して読んで。) Giochi Particolari - Eldar-Cinema & Music Lover Tweet
by koukinobaaba
| 2008-07-22 22:32
| 音楽
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