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スクープ写真家 ウィージー Arthur Fellig aka Weegee

ウィージーという1988年生まれのフォト・ジャーナリストをご存知ですか?私はつい数年前に白黒のニューヨークのドキュメント写真から知ったばかりです。

ショッキングで時にはグロテスクとも見える生と死、犯罪者と被害者、裕福と貧困などのヒューマン・ドラマをありのままにカメラに収め続けた写真家のウジェル・H・フェリグは通称ウィージーと呼ばれていたのです。それはなぜかというと、この事件カメラマンは時には警察と同時に到着するほどのカンを持っていたのでそのあだ名が付けられたとか。
WeegeeとはOuija board(ウイジャ盤)と呼ばれた紀元前の中国の占いに由来するそうですが、霊界との交信を行うボードで現在もゲームとしても人気があるそうです。日本のコックリさん?

ウクライナ地方の出身でニューヨークで活動したArthur Fellig(アーサー・フェリグ)はタブロイド紙にスクープ写真を数多く提供した写真家です。ウィージーはなんと愛車のシボレーには警察無線を装備していたので事件現場に直行できたのだとか。この装置を警察から許可されていた唯一人のレポーターだったそうです。驚いたことには車のトランクには写真現像用の暗室も用意されていましたが、ウィージーは望む絵を撮るためには効果的に少々のお膳立て(やらせ)も辞さなかったそうです。(例えばオペラ座の前のハイソな毛皮マダムと浮浪者の対比写真)

Naked City
スクープ写真家 ウィージー Arthur Fellig aka Weegee_b0002123_23164134.jpg

ウィージーの本名の”Usher”は反ユダヤ主義から逃れるためにニューヨークで住むようになって変えたのだそうです。写真の技術は自分で学んだものですが、1943年に初めてMuseum of Modern Art(ニューヨークの近代美術館)が展覧会で取り上げてから世に知られるようになったのだそうです。それ以降、Life誌やファッションのVogue誌などの有名雑誌の論説の仕事も受けていたそうです。
ウィージーが最初に高く評価されたのは1945年に出版された写真集のNaked City(裸の街)です。
ごゆっくりとウィジーの世界をお楽しみください。

Weegee's World

ウィジーの手にかかるとマリリン・モンローのキッスもこんな!
Photo Albums>Personalities>Browse Album
Weegee's World - Distortions - Marilyn Monroe 1960

ウィジーの書籍としては、「Weegee (Masters of Photography Series) (ハードカバー)Weegee (著)」が出版されているそうです。

ウィージーが1945年に出版した写真集のNaked Cityの後、1948年に製作された映画の「裸の町」は、後に1960年の「日曜はダメよ(Never On Sunday(日曜日はダメよ))」で有名になったジュールス・ダッシン(Jules Dassin)が監督したドキュメンタリー・タッチの犯罪ドラマです。
Naked City by Jules Dassin - YouTube

実験的前衛音楽家でアルトサックス奏者のジョン・ゾーン(John Zorn)が1990年にリリースしたアルバム「Naked City」のカバー画像はウィージー)が1945年に出版した写真集の1枚で、当時は裏ニューヨークともいうべきマンハッタン近くの労働者の町で、ホームレス収容所や安アパートが建っている「Hell's Kitchen」での殺人現場写真を使用しています。
※ヘルズキッチンとは伝説の開拓者と呼ばれた Davy Crockett(ディヴィー・クロケット)が1835年に始めてそう読んだアイリッシュ系ギャングの縄張りだった地域らしいです。

※ウィージーの写真がジャケットに使用された上記のCD「Naked City」を試聴してみて下さい。
犯罪映画のテーマ曲を集めたアルバム「Naked City」の収録曲は暗闇でドッキリ(Shot in the Dark)、私は死にたくない(I Want to Live)、チャイナタウン(Chinatown)、James Bond Theme(ジェームス・ボンド 007)やBatman(バットマン)まであります。
James Bond Theme - YouTube
Batman - YouTube

「Road to Perdition(ロード・トゥ・パーディション)」という2002年の映画の登場人物でウィージーとは違いますが死体を撮る写真家のマグワイアをジュード・ロウが演じています。不気味な容貌のHarlen Maguire(ハーレン・マグワイア)は殺し屋でもあったのですが、狙った被写体が死ぬのを待ってシャッターを切るという非情な人物です。
ハーレン・マグワイアが撮ったという死体の写真の何枚かはLuc Sante(リュック・サンテ)の1992年の著作物”Evidence”の中にもあるそうですが、いずれも1914年から1918年にニューヨーク市警によって撮影された本物のニューヨーク市の記録文書資料なんだそうですから迫力満点です。
by koukinobaaba | 2008-06-07 12:06 | 面白記事
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