1997年の「タイタニック(Titanic)」で女性ファンの涙を絞ったLeonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の初期の作品には1993年の「ギルバート・グレイプ」があります。
レオ様が知的障害を持つ少年のアーニーを熱演し、弟思いの兄のギルバート・グレイプをJohnny Depp(ジョニー・デップ)が演じて家族という枷を外して故郷を去ることが出来るかどうかと苦悩します。 アメリカの片田舎の人間模様を描いて実にやるせないお話ですが、デップの演じたギルバートは誰しもが兄に欲しい、愛されたいと思うような優しいキャラクターです。守るべきモノを失って不幸のどん底に落ちたようにみえる状況が唯一ギルバートに開放への希望の光を投げかけるなんてなんとも皮肉です。自由は多大なる犠牲を払わないと得ることができないのでしょうか。ギルバートの堪えていた感情が爆発して愛する弟に手を上げる場面は「二十日鼠と人間(Of Mice And Men)」のジョージとレミーがほんのちょっとダブりました。 父の死を堺に肥満体型になっていった母親の死に際して人々の好奇の目に晒されないようにと家に火を付けたギルバートの思いに心打たれます。 ギルバートの心に変化を齎したのは Juliette Lewis(ジュリエット・ルイス)が演じるベッキーの言葉でしょう。ベッキーはトレーラー・ハウスで移動して生活している自由な少女でした。 ギルバートと障害を持つ弟のアーニーと共にベッキーの車で街を出ていくのです。もう、どこにでも行ける!私が初めてルイスを観たのはRobert De Niro(ロバート・デ・ニーロ)にキスされたダニエルを演じた1991年の「Cape Fear(ケープ・フィアー)」でした。そのシーンは超ショックでした。 アーニーの質問「どこへ行くの?」に対し、ギルバートの返事は「どこにでも」 What's Eating Gilbert Grape - Gas Tank, Boom, Boom! - YouTube 家族の絆が薄まってきた昨今に教訓を示すような古き良きアメリカの一片を覗いた思いでしたが、監督はアメリカ人ではなくスウェーデンのラッセ・ハルストレム(Lasse Hallström)でした。ハルストレム監督は2000年にはジョニー・デップが出演したChocolat(ショコラ)、2005年にはアンフィニッシュ・ライフ(An Unfinished Life)などの感動作品や、2008年1月に急逝したヒース・レジャー(Heath Ledger)が主演したカサノバ(Casanova)を監督しています。 全編使用されたストーリーを追った音楽はイギリスの映画人のアラン・パーカー(Alan Parker)と ビョルン・イシュファルト(Björn Isfält)の作曲した美しい曲ですが、サウンドトラックは見つかりません。 1990年にシザーハンズで両手がハサミの人造人間を演じたジョニー・デップは「ギルバート・グレイプ」の後の1993年に「妹の恋人(Benny & Joon)」に出演して、第二のバスター・キートンを演じています。 data-count="horizontal" data-via="koukinobaaba">Tweet
by koukinobaaba
| 2008-02-04 17:29
| 映画
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