Henri René(1906- 1993)という私の好きなミュージシャンがいます。
アンリ・レネはドイツ人ですが父親はフランス人なんだそうで、アメリカとドイツを行き来していた編曲指揮者です。アンリ・レネの初レコードはドイツのレーベルだったそうですがアメリカに戻った1941年に自分のバンドを結成して、1950年代にはスペースエイジ・ポップス系のLPレコード、”Music for Bachelors”など何枚か録音したそうです。 1956年にHarry Belafonte(ハリー・ベラフォンテ)が吹き込んだLPアルバムの”Calypso(カリプソ)”をアンリ・レネがプロデュースしたのは有名ですが、1950年代初期のRCA録音のEartha Kitt(アーサー・キット)の大ヒット曲であるUska Dara(ウスクダラ)やC'est Si Bon(セシボン)もバックのアンリ・レネ楽団(Henri Rene & His Orchestra)に負うところが大きいといえましょう。 アンリ・レネ楽団(Henri Rene & His Orchestra)の演奏する小洒落たエキゾチックな音楽は素晴らしいのです。一番のお気に入りアルバムは”Ultra-Lounge, Vol. 10: A Bachelor In Paris”です。素敵な編曲の”Petite Fleur”や”C'est Si Bon”などが収録されてパリ・ムードに溢れています。 アンリ・ド・パリ楽団 Henri De Paris さて、この記事のタイトルは私が初期に混同したアンリ・ド・パリ楽団なのです。 アンリ・レネも情報が殆ど無いのですがHenri De Pari s(アンリ・ド・パリ)など皆無に等しいほど・・・何も無い! そこで「謎のアンリ・ド・パリ楽団」となったワケです。 アンリ・ド・パリ楽団演奏の「黒い傷あとのブルース」は、映画「太陽がいっぱい」のテーマ曲が1位だった1961年のAll Japan Popular Hit Paradeでは第6位で、洋楽ポピュラーシングルチャート1961年9月には第1位だったそうです。 「黒い傷あとのブルース」は大変人気で小林旭が主演して同年に黒い傷あとのブルース(The Black Scar)として映画にもなり、マイトガイがテーマ曲として歌ったそうです。私は全く別の曲だとばかり思っていました。 ジョン・シャクテル(John Schachtel )が作った”Broken Promises(黒い傷あとのブルース)”はテナーサックス奏者のSam The Man Taylor(サム・テイラー)やSil Austin(シル・オースティン)の他にもイタリアのアルト・サックス奏者のFausto Papetti(ファウスト・パペッティ楽団)が有名です。 ところが1961年の「黒い傷あとのブルース」が時どきYahoo!オークションに出品されています。 アンリ・ド・パリ楽団(Henri De Paris with Orchestra)の「黒い傷あとのブルース」でB面が「Dreamy(夢みるように)」の日本ビクターワールドグループのColpix ”COX-1004”のEPレコードのカバー画像が見られるBroken Promises - Henri De Paris and Orchestra / 黒い傷跡のブルース - YouTube 上記の他にもアンリ・ド・パリ楽団の演奏のレコードは「七つの流れ星」という曲もあるそうです。 私の手持ちのアンリ・ド・パリ楽団のレコード解説によりますと、スペリングはHenri DePariと綴られるアメリカのミュージシャンというふれこみのテナーサックス奏者だそうです。 ほんまかいな。 インターネット上では”Seven Days In Barcelona”という曲を書いたらしいですが、テナーサックス奏者のSil Austin(シル・オースチン)が1957年にPretendのB面に吹き込んだという情報以外は見つかりませんでした。 私の勝手な想像ですが、ひょっとしてひょっとすると、”アンリ・ド・パリ”って日本のプレーヤーかも。その当時かなりの日本の有名ミュージシャンがカタカナ名でレコードを吹き込んでいました。モダン・プレイボーイズとかコレット・テンピアとか。某レコード会社の専属だと契約問題があるので別名で録音ということは海外でも聞かれます。 ※「黒い傷あとのブルース」については過去記事 それなのに、なんと!私がアンリ・ド・パリのレコードを持っていたのです。 これがスゴイ!扇情的な曲がA面とB面に収録されたGloveレコードのJET-1199 EP盤で330円で、1961年の「黒い傷あとのブルース」に続いてリリースされたそうです。 A面の”Stolen Moments(かわいた唇)”とB面の”Harem Party(ハレム・パーティ)”で、「黒い傷あとのブルース」同様に作詞、作曲ともにJohn S. Schachtel(ジョン・S・シャハテル)という作曲家の作品だそうですが多分一度聴いたらもう聴かないかもしれません。 ☆B面のハレム・パーティですが英語のスペルがHaremになっているのでニューヨークの黒人街のハーレムではなくイスラム圏のハレム(宮殿の大奥)のことでしょう。 ちなみにこのレコードが先日Yahoo!オークションに出品されていました。1000円の値がついてましたがいったいいくらで入札されたのでしょう。 私は売りませんが。 ジャズ曲の”Stolen Moments(ストールン・モーメンツ)”は作曲者であるビバップのアルト・サックス奏者のOliver Nelson(オリバー・ネルソン)の演奏が有名ですが、私はEddie Lockjaw Davis(エディ“ロックジョウ”デイヴィス)の演奏も好きです。 ジャズ・ボーカリストのマーク・マーフィー(Mark Murphy)が作詞して「In The Mind Of Jamie Cullum」などのアルバムで歌っていますがいまいち、Carmen McRae(カーメン・マクレイ)とBetty Carter(ベティ・カーター)のデュエットの方が好き。 このシリーズには続きがあって3枚目は「濡れた花びら(Wandering Rainbows)」と「七つの流れ星(Sev’n Thousand Years)」が収録されたシングル盤(JET-1332)だそうです。 Stolen Moments - In The Mind Of Jamie Cullum - CD Universe ☆アルバム「Red Hot on Impulse」からOliver Nelsonの”Stolen Moments”が聴けるwfmuラジオのプレイリストはPlaylist for Nickel and Dime Radio with $mall ¢hange - October 7, 2009 Listen to this show: Pop‑up player!をクリック、クリップポジションを2:53:40に移動。 Every kiss you gave were just stolen moments...
by koukinobaaba
| 2008-01-23 10:46
| 音楽
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