今、フィニアス・ニューボーン・ジュニアのピアノ演奏で”Juicy Lucy”を聴いているところです。
世界的ジャズピアニストの一人であるオスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)が神のように崇めたという アート・テイタム(Art Tatum)やバド・パウエル(Bud Powell)などの影響を受けたメンフィス出身の”フィニアス・ニューボーンJr”は1950年代後期のジャズシーンに衝撃を与えました。 フィニアス・ニューボーン・ジュニアはアート・テイタムが1956年に亡くなった後、ニューヨークでデビューアルバムを録音して、アート・テイタムの生まれ代わりかと騒がれたそうです。 ところが欧州公演から帰って、1960年にロスアンジェルスで再びレコードをリリースしたものの不評で、それにより精神を病み、おまけにピアニストとして命ともいうべき手の怪我が演奏にも支障をきたすことになりました。1960年代中期から1970年代中期にかけては健康のために断続的な公演活動しか出来ず、しだいにアルコール中毒もひどくなり1989年に亡くなってしまった幻の名ピアニストなのです。 音楽一家に生まれてR&Bから音楽に入ったフィニアス・ニューボーン Jr.はデビュー当時は創造力に富みエネルギッシュな演奏で、オスカー・ピーターソンに匹敵するといわれる最高のテクニックだったそうですから、そのままだったら世界三大ピアニストに数えられたでしょう。 驚いたことには、B.B. King(BBキング)が1949年に初レコーディングした時にバックを務めたのがフィニアス・ニューボーン Jrがピアノを、ギターを弟のCalvin Newborn(カルヴィン・ニューボーン)、父親のPhineas Newborn Sr.(フィニアス・ニューボーン・シニア)がドラムを受け持ったR&Bバンドだったそうです。 フィニアス・ニューボーン Jr.の才能を認めていたRay Brown(レイ・ブラウン)のベースとElvin Jones(エルヴィン・ジョーンズ)のドラムとのトリオ演奏で、フィニアス自作のHarlem Blues(ハーレム・ブルース)、レイ・ブラウン作のRay's Idea、Horace Silver(ホレス・シルヴァー)作のCookin' at the Continentalなどを収録しています。 フィニアス・ニューボーン Jr.をプロデュースしたコンテンポラリー・レコード(Contemporary Record)のレスター・ケーニヒ(Lester Koenig)が制作したデビュー盤の 「A World of Piano!」と共に名盤とされているアルバムです。 フィニアス自作のTheme For BasieとNew Bluesの2曲の他、Bud Powell作のCelia, Bobby TimmonsのThis Here, Benny GolsonのDomingo, Duke EllingtonのPrelude To A Kiss, Thelonious MonkのWell, You Needn't, Sonny RollinsのWay Out West, Miles DavisのFourなどを演奏して最高レベルのピアノジャズを聴かせています。 ※ちなみに今私が聴いている”Juicy Lucy”や、レアな”For Care”が収録されているフィニアス・ニューボーン・ジュニアの名盤「A World of Piano!」についてはアンクルポップさんのサイトに詳しく書かれています。 アンクルポップのJAZZ名選 - フィニアス・ニューボーン・ジュニア - ワールド・オブ・ピアノ Phineas Newborn - Theme For Basie - YouTube Phineas Newborn - The New Blues - YouTube フィニアス・ニューボーン Jr.を最後まで支援したベース奏者のレイ・ブラウンはRay Brown Trioのアルバム”Ray Brown: Triple Play - Bassface, Seven Steps To Heaven, Live At Kuumbwa Jazz Center”のなかでフィニアス・ニューボーン Jrに捧げた曲”Phineas Can Be”を作曲及び演奏しています。 data-count="horizontal" data-via="koukinobaaba">Tweet
by koukinobaaba
| 2007-10-15 20:51
| 音楽
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