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赤毛のアン Anne of Green Gables (1979) (1986)

赤毛考
赤毛というと、思い出すのは子供の頃に読んだ本の「赤毛のアン」と「にんじん」です。
特に「赤毛のアン」は1952年に村岡花子が翻訳した版を読んだ記憶があります。
1979年にはテレビのアニメで「赤毛のアン」も放映されました。

赤毛は英国が昔征服したケルト系スコットランドやアイルランドに多いそうで、ヘンリー8世で知られるチューダー王朝最期の女王であったスコットランド系のエリザベス1世(1533-1603)も赤毛だったそうです。
それが時を経て、征服された貧しい民族であるという人種差別や、聖書に登場する裏切りの人物が赤毛であったとされる宗教的観念の影響から”醜い”の代名詞ともなったので、赤毛でいじめられる「赤毛のアン」や「にんじん」のようなお話が生まれたのでしょうか。

日差しの弱いヨーロッパの北部及び西部に見られる赤毛はいわゆるオレンジ色ですが燃える火のような赤もあるのだとか。 有名な女優ではアイ・ラブ・ルーシーのルシル・ボールやスーザン・ヘイワード、そして二コール・キッドマンも赤毛だといわれています。

赤い髪はセクシーともいわれ、イチゴブロンドといってわざわざ赤毛にした女優のリタ・ヘイワースもいますし、映画の「ランローララン」ではヒロインのローラが真っ赤な髪をなびかせてひたすら走っていました。

赤毛は白子のように突然変異の遺伝子が影響しているので、両親が赤毛でないと産まることはなく、現在は減少の傾向にあるそうです。赤毛の人々は紫外線に弱い色白肌なので概してソバカスが多いようです。

小説「赤毛のアン(グリーンゲイブルスのアン)」はルーシー・モード・モンゴメリー(Lucy Maud Montgomery)というカナダの女流作家が1908年から書いた連作小説の「アン・ブックス」です。カナダの州のひとつでプリンスエドワード島が「赤毛のアン」の舞台となっています。
題名のゲイブルスとは雪が積もりにくい三角形をした切妻屋根(キリヅマヤネ)のことだとか。日本で切妻はごく普通の屋根ですが、カナダを舞台にした映画では納屋以外の住居では屋根裏部屋の分だけ屋根が長いです。

「赤毛のアン」の原書(英語)がオンラインで読めます。
ANNE OF GREEN GABLES - Project Gutenberg

赤毛のアン
赤毛のアン Anne of Green Gables (1979) (1986)_b0002123_17114449.jpg

「赤毛のアン」をもとにしたテレビドラマやミュージカル、映画はたくさん上演されていますが、「赤毛のアン」といえばケヴィン・サリヴァン(Kevin Sullivan)監督でシリーズを制作及び脚本ともに何本も手掛けています。
1985年から放映されてテレビシリーズのの「赤毛のアン」ではオーディションに合格したミーガン・フォローズ(Megan Follows)がヒロインのアン(Anne Shirley)を演じています。1986年には総集編が映画化されました。
原作者のモンゴメリーは「赤毛のアン」でシェークスピアなどの文学をバロディ化しているそうですが、映画の方では舞台はカナダですが、モネやルノアールのような印象派の名画にそっくりな場面がたくさんあります。背景も素晴らしいですが、カメオのブローチやフレアースカート、ショールカラーやパフスリーブなどと子供の頃には日常的に目にした服飾小物も懐かしいです。

Anne of Green Gables - OfficialSite
Anne of Green Gables: Trailer - YouTube

☆「プリンス・エドワード島と東カナダ―『赤毛のアン』の故郷とカナダのルーツをたどる」というカナダのガイド本が出版されているそうです。



えっ、赤毛の「にんじん」ですか?子供時代に読むにはちょっと無理なようでした。
鳥の羽をむしるとかウサギの餌のメロンを食うなどはちょっと夢見る少女向きではありませんが、大人になれば「にんじん」の方が興味深いと分るでしょう。

「にんじん」はフランスのジュール・ルナール(Jules Renard)が1894年に書いた自伝的小説の”Poil de Carotte”なんですが、ルナールの「にんじん」が「赤毛のアン」に影響を与えたのかもしれませんね。同級生の男の子がアンの赤毛を引っ張って「にんじん!」とからかう場面がありますから。
「にんじん」も1972年にアンリ・グラジアニ(Henri Graziani)が監督したテレビドラマがあるそうですがシリーズはありません。

「にんじん」の原書はフランス語ですが、岸田国士が日本語に翻訳したルナールの挿絵付き「にんじん」がオンラインで読めます。
にんじん 心朽窩

※孤児といえば、私は「赤毛のアン」にも似た孤児の少女を描いたストーリーの「少女パレアナ」も大好きです。 Pollyanna(ポリアンナ)とも表記される「パレアナ」はエレナ・ホグマン・ポーター(Eleanor Hodgman Porter)が1913年から発表したシリーズ小説です。



by koukinobaaba | 2008-09-30 00:07 | 映画
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