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ブロッサム・ディアリー Blossom Dearie

妖精とまで呼ばれたカルト的なジャズ歌手のブロッサム・ディアリーは少女のような声をしていることから「ビ・バップのベティ・ブープ」と評されました。

歌の他ピアノも弾くブロッサム・ディアリーは1940年代の中頃からWoody Herman(ウディ・ハーマン)の楽団専属のThe Blue Flames(ブルー・フレイム)というボーカルグループに参加しました。 ソロ活動の前にAlvino Rey(アルヴィノ・レイ)楽団のThe Blue Reys(ブルー・レイズ)の一員にもなったそうですが、その後の1952年に渡仏してMichel Legrand(ミシェル・ルグラン)と姉であるChristiane Legrand(クリスチャンヌ・ルグラン)らと8人編成のコーラスグループの「The Blue Stars(ブルー・スターズ)」を結成しました。 その時期、1954年に放ったヒット曲は”Lullaby of Birdland”だそうです。
Blossom Dearie & The Blue Stars of France - Lullaby of Birdland (french) - YouTube

Blossom Dearie by Blossom Dearie
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ブロッサム・ディアリーがピアノを弾いている1956年にアメリカで吹き込んだシャンソンとジャズのスタンダード曲のアルバムで、ベースのRay Brown(レイ・ブラウン)とドラムのJo Jones(ジョージョーンズ)等と共演。
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私生活ではフランスでブルースターズでヒット曲を出した後にピアノ演奏のソロ・アルバムを録音しましたが、その時に出会ったベルギー人のBobby Jaspar(ボビー・ジャスパー)と短期間の結婚歴があります。 ボビー・ジャスパーはMiles Davis(マイルス・デイヴィス)やChet Baker(チェット・ベイカー)等と演奏したハードバップのテナーサックス奏者でした。
ブロッサム・ディアリーはその後、Verve Records(ヴァーヴ・レコード)のNorman Granz(ノーマン・グランツ)と契約しました。
その時録音した6枚のLPレコードは1956年の「Blossom Dearie」、1957年の「Give Him the Ooh-La-La」、1958年の「Once Upon a Summertime」、1959年の「Sings Comden and Green」と「My Gentleman Friend」、そして最後は1960年の「Soubrette Sings Broadway Hit Songs」でした。
※1957年の「Give Him the Ooh-La-La」に収録されて最も有名だというピアニストのCy Coleman(サイ・コールマン)が作曲した”The Riviera”は現在CDアルバムの「Whisper For You」や「Teach Me Tonight」などにも収録されています。
50年代から60年代にかけてブロッサム・ディアリーが録音したLPの演奏はたいていはコンボでしたが、最も有名だというキャピトルで吹き込んだ1964年の「May I Come In?」はオーケストラだったそうです。

Blossom Dearie sings "I’m Hip"
”Peel Me a Grape”も書いたDave Frishberg(デイヴ・フリッシュバーグ)とBob Dorough又はRobert Dorough(ボブ・ドロー)の作った”I’m Hip”が定番曲でした。
当時ビバップで流行った”Buttons and Bows(ボタンとリボン)”風スキャット入りで私は最新流行に敏感なのよと歌う”I’m Hip”の歌詞にはSammy Davis、ビートニクの好んだ顎鬚や禅や瞑想、指パッチン、麻薬、Bobby Darin(ボビーダーリン)の”Mack the Knife(マックザナイフ)”などが出てきます。キュウリまで出てきますがクール(冷静)ということらしいです。
Rosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)やBette Midler(ベット・ミドラー)など、歌詞はアドリブもあるらしく変わるようで歌手によってはSammy Davis(サミー・ディヴィス・JR)が出てきたり麻薬が自然食品になることもあります。

この曲はブロッサム・ディアリーがMel Torme(メル・トーメ)ともデュエットしていますが、当然のこと作者でもあるスキャットの名手のバップ・ピアニストであるボブ・ドロー自身も歌っています。
Blossom Dearie - I'm Hip - YouTube
Bob Dorough (vocals) & Dave Frishberg (2000) - I'm Hip - YouTube

ブロッサム・ディアリーはビパップの後にBossa Nova(ボサノヴァ)も歌い、最後のアルバムはAntonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビム)の”Wave”を収録した「Blossom’s Planet」でした。

60年代から流行ったページボーイ(おかっぱ)の髪形をして子猫みたいに、そして子供のような声で歌ったブロッサム・ディアリーは1924年にニューヨークで生まれで、2006年まではニューヨークやロンドンのステージに立っていましたが2009年に84歳で亡くなりました。(寿命だとか) 良き音楽仲間だったボブ・ドローは2011年現在88歳ですが健在です。

Blossom Dearie - It Amazes Me (1958 Once Upon a Summertime) - YouTube
Blossom Dearie - Manhattan - YouTube
Blossom Dearie & Lyle Lovett - Peel Me a Grape - YouTube


by koukinobaaba | 2011-01-23 23:12 | 音楽
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