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坂口淳作詞 ひまわり時計 (ばらのホテル)

私が子供の頃に慣れ親しんだ歌に「ひまわり時計」があります。
なぜこの曲を知ることになったかは記憶にございません。

この歌は坂口淳が作詞した童謡ですが、歌の題名が「ヒマワリ時計」と「バラのホテル」とがあることが最近分かりました。

「ヒマワリ時計」と「バラのホテル」とではだいぶタイトルが違ってきますが、歌詞が坂口淳なので殆ど同じなのですが、作曲者が違うのだそうです。
私はこの2曲を聴き比べたことがありませんからメロディも同じかどうかは知りません。
日本童謡唱歌全集では「ひまわり時計に朝日がさして」とも表記されているそうですが、たいていは「ばらのホテル」か「ひまわり時計」となっています。
※私が覚えていた歌詞は「ばらのホテル」と「ひまわり時計」がごっちゃになってしまったのか下記のように記憶しています。
ひまわり時計に 朝日がさせば
ばらのホテルの お窓があいた
あくびしながら 足長蜂が
しまのネクタイ むすんでいるよ


「ばらのホテル」 坂口淳 作詞 井上武士 作曲
ひまわり時計に 朝日がさして
ばらのホテルの お窓があいた
あくびしながら 足長蜂が
しまのネクタイ むすんでいるよ

ひまわり時計が 十二時させば
ばらのホテルの グリルがひらく
赤い小さな スリッパはいて
おしゃれな蝶ちょも でかけていくよ

ひまわり時計も 見えなくなって
ばらのホテルの 灯りがついた
青い背広の はたおり虫が
じまんのセロを ならしているよ


「ひまわり時計」 坂口淳 作詞 山本雅之 作曲

ひまわり時計に 朝日がさせば
バラのホテルの お窓があいた
あくびしながら 足長蜂(あしながばち)が
しまのネクタイ 結んでいるよ

ひまわり時計が 十二時させば
バラのホテルの グリルがひらく
赤い小さな スリッパはいて
おしゃれなちょうちょも 出かけて行くよ

ひまわり時計が 見えなくなって
バラのホテルに あかりがついた
青いせびろの しゃくとり虫が
月のハープを ならしているよ

楽譜はこちらで見られます。
http://bunbun.boo.jp/okera/w_osanago/bara_hotel.htm


たしか私が子供の時代にラジオから流れてきたのは童謡歌手の近藤佳子が歌った”ひまわりどけい”だったと思います。 当時のキンキン声の多い動揺歌手のなかにおいて近藤佳子は古賀さと子に次ぐお姉さんのように落ち着いたかんじの歌手でした。


※ちなみに歌詞のなかに出てくるハタオリムシとはその鳴き声から「機織虫」と書いてキリギリスの古名(別名)なんだそうです。 オンブバッタや一般にキチキチバッタとかショウジョウバッタと呼ばれるショウリョウバッタ(精霊蝗虫)の類ではありません。
※はたおり虫が青い背広を着ているというのは身体の色が緑だからでしょう。同じく青い背広を着ていると歌われているしゃくとり虫(尺取虫 )はガ類の幼虫で庭などでよく観られるのは茶色が多いですがヨモギエダシャクの幼虫のように綺麗な薄緑の尺取虫もあります。”月のハープを鳴らしている”と歌われていますが枝に止まってハープのような弓なりになって身体を震わせることがあるからでしょうか。
※はたおり虫が奏でるセロとはチェロというバイオリンに類似した楽器です。(宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュが有名。)
※グリルとはバラのホテルがお昼に開くビュッフェグリルなどグリルスタイルのバーベキュウー・レストランなのでしょうか。
※ヒマワリの花が時計にたとえられているのは太陽の方向に向かって咲くことからでしょうが、実際にはつぼみをつけた若い茎の時だけだそうです。

坂口淳は私が子供の頃によく歌った平岡照章作曲の「赤ちゃんはいいな」や「子鹿のバンビ」にも歌詞をつけています。

童謡ではお花はホテルにたとえられることがあるようで「快傑ハリマオ」の主題歌も書いた加藤省吾作詞の「お花のホテル」(海沼実作曲)という歌にも蝶々や蜂が登場します。

これらのようなロマンティックな歌を作る詩人というのはいったいどんな風貌なんでしょう。
昔、佐藤八郎(サトウ・ハチロー)という詩人がいました。
「おかあさん」にまつわる詩をたくさん書いていましたが、私は「銀の鋏を動かして・・・そっと呼びたい、おかあさん。」という詩が大好きでした。(”お母さんの匂い”とは別の詩です。)
そんな優しい詩を書いたサトウ・ハチローは正ちゃん帽に黒縁めがねで顔は顎鬚だか無精髭をボチョボチョ生やしたおじさんでした。 おふくろの涙に弱くてとても優しい笑顔の詩人でした。



by koukinobaaba | 2010-08-15 14:46 | 音楽
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