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トム・ウェイツ Tom Waits - Temptation

日本にも嗄れ声の歌手はたくさんいますが、こんなにしゃがれた声は聴いたことがありません。
そして、こんな強面の歌手も見たことがありません。
まるで、地獄の底から聞こえる悪魔の叫び、いや、呻き。
そして妙に郷愁を感じさせます。

カルフォルニアで1949年に生まれたトム・ウェイツはMellotron(メルトロン)やギターを演奏するシンガーソングライターであるだけでなくたくさんの映画に出演した俳優でもあります。

Closing Time
トム・ウェイツは最初からだみ声だったわけではありません。タバコ(Old Gold)や酒(ウヰスキー)の飲み過ぎのせいか、どんどん声嗄れしてきたのです。
声がれすればどんどん音域は狭くなってきますが、その分どんどんカリスマ性が増していきます。
私の家族の者が所有しているトム・ウェイツが24歳の時(1973年)に発表した閉店時間という”デビュー”LP「Closing Time(クロージング・タイム)」はではごく(?)普通の声なんです。
デビューから10年後の1983年にリリースした革命的なアルバム「Swordfishtrombones(ソードフィッシュトロンボーン)」や1992年の「Bone Machine(ボーン・マシーン)」から35年後の2008年の「Glitter And Doom」などと聴き比べてみて下さい。
Tom Waits - 16 Shells From A Thirty-Ought Six(Swordfishtrombones) - YouTube
♪アルバム「Closing Time」の試聴はTom Waits - Closing Time - CD Universe

Big Time
トム・ウェイツの友人で、1970年代にLevis(リーバイス)のCMを手掛けたこともあるChris Blum(クリス・ブラム)が1988年に監督した映画「Big Time(トム・ウェイツ/ビッグ・タイム)」はトム・ウェイツのロスアンジェルスの劇場ライヴコンサートですが、そのサウンドトラック盤(ASIN: B000001FTL)に収録されているのはFrank's Wild Years、Shore Leave、Way Down in the Hole、Hang On St. Christopher、Telephone Call From Istanbul、Cold, Cold Ground、Straight to the Top (Vegas)、Strange Weather、Gun Street Girl、9th and Hennepin、Clap Hands、Time、Rain Dogs、Train Song、Sixteen Shells From a Thirty-Ought Six、I'll Take New York、It's More Than Rain、Johnsburg, Illinois、Innocent When You Dream (Barroom)、Big Black Mariah。
Tom Waits - Frank's wild years and Shore leave on Big Time- YouTube
※しゃがれ声の”Telephone Call from Istanbul”も迫力あり!
Tom Waits - Telephone call from Istanbul - YouTube

Tom Waits & Francis Ford Coppola
私が公開当時に劇場で観た映画、1984年にFrancis Ford Coppola(フランシス・フォード・コッポラ)が監督した「The Cotton Club(コットンクラブ)」にもクラブのマネージャーのIrving Stark(アーヴィング・スターク)役で出演していたそうです。(全く知りませんでしたが。)
1982年にもトランペッターとしてカメオ出演もしたコッポラ監督の「One From The Heart(ワン・フロム ・ザ・ハート)」のサウンドトラックをはじめ、1980年代から現在まで映画音楽もたくさん手掛けています。
♪ Tom Waits & Crystal Gayle
トム・ウェイツが手掛けた「One From The Heart」サントラの試聴
One from the Heart (1982 Film Soundtrack) - Amazon.com
コッポラ監督の作品では1992年に「Bram Stoker's Dracula(ドラキュラ)」に狂人(ドラキュラの下僕)となったMilo Renfield(ミロ・レンフィールド)役で出演しています。
そして2009年には「The Imaginarium of Doctor Parnassus(Dr.パルナサスの鏡)」で黒帽子をかぶった悪魔のMr. Nick(ニック)を演じるなど特異なキャラクターで俳優業でも活躍中です。
Tom Waits in Dracula - YouTube
Tom Waits in Imaginarium of Doctor Parnassus - YouTube

Coffee and Cigarettes
トム・ウェイツは2003年にインディ映画の大御所といわれるJim Jarmusch(ジム・ジャームッシュ)が監督したCoffee and Cigarettes(コーヒー&シガレッツ)に出演しました。11話からなるこの映画ではタイトル通りに珈琲と煙草にちなんだ異色の取り合わせで構成されていますが、そのなかの第3話である”Somewhere in California(カリフォルニアのどこかで)”でIggy Pop(イギー・ポップ)と共演しています。 すごい顔合わせです。
Coffee and Cigarettes - MGM
Tom Waits & Iggy Pop - Somewhere in California(Coffee and Cigarettes) - YouTube

Yes
Audio-Visual Trivia内の2004年の記事にSally Potter(サリー・ポッター)が監督した映画「Yes(愛をつづる詩)」がありますが、そのサウンドトラックでトム・ウェイツのアルバム「Alice(アリス)」に収録されているトム・ウェイツのバイオリンと妻のKathleen Brennan(キャサリン・ブレナン)のアコースティックギターとのハーモニーが美しい”Fawn”がアレンジされています。
キャサリン・ブレナンはミュージシャンではなくライター(スクリプトアナリスト)だそうですが夫妻のコラボレーションには定評があるそうです。
※トム・ウェイツ & キャサリン・ブレナンが製作した1992年のアルバム「アリス」について詳しく書かれたAlice - Sonny Music Online Japan
Tom Waits & Kathleen Brennan - Fawn - YouTube

Tom Traubert's Blues
2009年にフジテレビで放映された「不毛地帯」では坂本龍一のメインテーマに対してトム・ウェイツの"Tom Traubert's Blues(トム・トラバーツ・ブルース)”(Matilda)がエンディングテーマに使用されました。
この曲は1976年に発表されたアルバム「Small Change(スモール・チェンジ)」に収録されています。
Tom Traubert's Blues(Matilda) 1977 - YouTube
※ちなみにトム・ウェイツの曲には”Waltzing Matilda”のような欧州民謡転じてR&Bヒット曲だけでなくジャズやカントリーからラテンやシャンソンまで幅広く他ジャンルの音楽が取り入れられています。(カバーしているといえるのか。)

トム・ウェイツはこんな顔
トム・ウェイツ Tom Waits - Temptation_b0002123_23261462.jpg
アルバム「Blue Valentine(ブルー・ヴァレンタイン)」の試聴
Blue Valentine - Amazon.com


Tom Waits - Temptation
私が始めて聴いたトム・ウェイツの歌が1987年にリリースされたアルバム「Franks Wild Years」に収録された”Temptation”でした。映像ではトム・ウェイツがバンドネオンを演奏しているタンゴ調の曲ですが、その後Holly Cole(ホリー・コール)が1995年にDiana Krall(ダイアナ・クラール)が2004年にカバーしている人気曲です。
*トム・ウェイツはタンゴがお好き*

タンゴの好きなトム・ウェイツが2004年のアニメ「Shrek 2(シュレック2)」のサントラで”Little Drop of Poison”を歌っています。
Tom Waits - Little Drop of Poison - YouTube

※テンプテーションといっても全くの同名異曲!
私は”Temptation”というタイトルだけを聞いた時点では棺桶ショーのScreamin' Jay Hawkins(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)も歌っているのでBing Crosby(ビング・クロスビー)が歌ったジャズのスタンダードかと思ってしまいました。

さて、めでたくも2011年3月、トム・ウェイツはロックの殿堂入り(Rock and Roll Hall of Fame)を果たしました。

Tom Waits - Temptation - YouTube

ニコラス・ローグが監督した1980年の映画「Bad Timing: A Sensual Obsession(ジェラシー)」のオープニングで使用されたトム・ウェイツ作曲の”An Invitation To The Blues”はアルバム「Small Change」に収録されています。
Bad Timing (1980) - Opening Credits with Tom Waits' An Invitation To The Blues - YouTube




※日本でも見つけた! 若いロックバンド! THE BAWDIES
ザ・ボゥディーズのボーカルは迫力あり!
2010年4月にに第3弾となる最新アルバム「THERE’S NO TURNING BACK」をリリースしたもよう。
THE BAWDIES - YOU GOTTA DANCE - YouTube
日本でハスキーなロック歌手といえば葛城ユキ。 ヒーロー!
Yuki Katsuragi - Holding Out for a Hero - YouTube
みなさん、真似して喉を痛めないようにね。



by koukinobaaba | 2010-03-13 23:28 | 音楽
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