叙情画家の高畠華宵や竹久夢二や蕗谷虹児などの絵が大好きな私のような人間にとってアールデコ風と評される作品を制作した小林かいちの木版画による抒情画の絵封筒は垂涎のまとです。
アール・デコ(Art Deco)調のイラストレーターといってもイギリスのビアズリー(Aubrey Vincent Beardsley)ほど奇異でもなく、フランスのジョルジュ・バルビエ(George Barbier)ほど配色豊かでソフトでもない単色が多く単純化された画風です。 大正から昭和初期にかけて活躍したあまりメジャーではなかった京都出身の抒情版画家で、今でいうところのグラフィック・デザイナー及びイラストレーターです。華宵や夢二のように絵葉書や便箋・封筒のデザインをしていたようですが、情報は皆無に近くてこの画家が男性化女性化さえ判明していなかったのですが、先ごろ若い時代には「うたぢ」という雅号を使用していた小林嘉一であることが判明しました。江戸時代の浮世絵の写楽のように幻の画家かと思われていたのですが西陣で有名な京都の祇園出身で「小林歌治」という反物の図案家であったようです。 抒情画は大正時代と昭和20年代にかけて夢見る乙女たちに人気がありました。小林かいちの絵は私が子供時代には見られたそうですが、夢二を雑誌で見てもかいちはとんと覚えがありません。 ”きいち”の塗り絵はよく買いましたが。 1年前に京都精華大学で開催されていた「小林かいちの世界ー京都アール・デコの真髄」は見たかった。 しかし嬉しいことに、私が時々訪れる弥生美術館で「小林かいち 特別展示」が2009年1月3日(日)~3月29日(日)まで開催されているのです。 詳細は弥生美術館・竹久夢二美術館 2007年6月に発行された「小林かいちの世界―まぼろしの京都アール・デコ (大型本) 」が小林かいちの世界 Amazon.co.jpで覗けます。 上記の本と同時期に発売された「アンティーク絵はがきの誘惑 (単行本(ソフトカバー)」もアンティーク絵はがきの誘惑 Amazon.co.jpで覗けますが、他の有名画家との叙情画家集なので小林かいちは見本では見られないようですが収録されているそうです。 弥生美術館まで遠い向きには本で我慢。 弥生美術館関連の過去記事 大正ロマン 弥生美術館 少女雑誌の挿絵画家 勝山ひろし Tweet
by koukinobaaba
| 2009-01-23 17:43
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