第二次世界大戦が終わり焼け野原が復興し始めた頃、人々を励ますかのように「リンゴの唄」のように明るい歌が流行りました。この他に南の島から帰った兵隊さんたちの郷愁を誘うような「ブンガワンソロ」のような東南アジアの歌も流行ったのです。
私が一番最初に覚えてしまった歌が「酋長の娘」でした。歌詞の意味も分からず縁側に座って歌っていたのです。 「わたしのらばさん、しゅうちょうのむすめ、いろはくろいがなんようじゃびじん。。。」 別棟に住んでいた祖母が家から飛び出してきてこっぴどく叱られました。 「酋長」という言葉は今じゃ放送禁止用語なんだそうです。 ですが、私が一番好きだったのは「Dahil sa 'yo(ダヒル・サ・ヨ)」というフィリピンの歌謡曲です。 20年ほど前のことですが、私の主人に連れられてその当時流行っていたフィリピン・パブなるナイトスポットを訪れたことがあります。そこではフィリピンからの出稼ぎ少女たちがホステスとして働いていたのです。全員20歳以上といっていましたが多分年齢は偽っていたようです。 そこで、私が「ダヒルサヨ」という歌を知っているか聞いてみると、喜んで歌詞を持ってきてくれました。少女たちと一緒に「ダヒルサヨ」を口ずさんでいると、他の席についたフィリピンの少女たちが皆こちらを向いて「あの席に行きたい」と言ったそうです。故郷を思い出したのでしょう、とんだ日比交流でした。 「ママの手、綺麗ね」と言ったので、よく聞いてみると洗濯機がなくて手で洗っているそうです。とてもホステスの華やかな生活とはいえないような状況でしたが、今はそんなクラブもスタってしまいました。 「Dahil Sa Iyo(ダヒルサヨ)」という曲はフィリピンのタガログ語で”貴方ゆえに”という意味だそうです。 戦後しばらくしてジャズ歌手のペギー葉山やハワイアンのエセル中田のバージョンでラジオでもよく流れていました。エセル中田の「ダヒルサヨ」はアルバムの「The Other Side of Hawaiian(ジ・アザー・サイド・オブ・ハワイアン)に収録されているそうです。 他には男性4人のコーラスグループの Dark Ducks(ダークダックス)が歌っています。 ダヒルサヨ ダークダックス - YouTube 「Dahil Sa 'Yo」として演奏ではエキゾチック・サウンドのアーサー・ライマン(Arthur Lyman)のバージョンがありますが、ボーカルでは美しいハーモニーで定評の有るトリオ・グループのザ・レターメン(The Lettermen)などが歌っています。 ちなみにArthur Lymanが演奏する”Dahil Sa Yo”はAudio-Visual TriviaのTaboo(タブー)の記事で紹介したアルバム「Taboo: The Exotic Sounds of Arthur Lyman」に収録されています。 フィリピンを訪れたナット・キング・コール(Nat "King" Cole)がサービスでタガログ(現地の言葉のTagalog語)で歌っている「Dahil Sa Yo」は素晴らしいです。 Nat "King" Cole - Dahil Sa Yo - YouTube Arthur Lyman - Dahil Sa Yo - YouTube ”Dahil Sa Yo”は英語では”Because of you”となりますが、1952年にロレッタ・ヤング(Loretta Young)が主演した「Because of You」という映画でアーサー・ハマースタイン(Arthur Hammerstein)とダドリー・ウィルキンソン(Dudley Wilkinson)が作った曲、「Because of you」が使用されました。 ※Tom Spinosa(トム・スピノサ)の英語バージョンについては”http://en.wikipedia.org/wiki/Dahil_Sa_Iyo”を参照。 http://www.youtube.com/watch?v=iHI2RypmtmI http://www.youtube.com/watch?v=L6k_pvOFOgc こちらの「ビコーズ・オブ・ユー」は1951年にトニー・ベネット(Tony Bennett)が歌ってヒットし定番曲となっている他、ビング・クロスビーやコニー・フランシス(Connie Francis)やニール・セダカ(Neil Sedaka)なども歌ったそうです。 しかし、フランク・シナトラやトニー・ベネットやニール・セダカのバージョンの「ビコーズ・オブ・ユー」という曲は「ダヒルサヨ」に似ている様な似ていないような。 別の曲? ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
タイトル : Dahil Sa'yo
マレイ歌謡をはじめとするアジアの音楽にはとても思い入れがあって、 今でも10年前の音源を聴くたびに込み上げるものがあります。 当時一緒に組んでいたユニットのボーカリストの女性が、たまたまタガロク語が話せた事もあり、 ユニットの最初の曲はこの記事のBGMに...more なかなかお邪魔できずにいました。しばらくは忙しい日々が続きそうですが、できる限りお邪魔させていただきますね。 lanovaさん、わざわざ「忙しい」お知らせを頂戴いたし恐縮です。私は仕事を持っていませんので忙しいといっても高が知れています。私よりずっと若いといっても、お体には重々気をつけて下さい。
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