クララ・ボウのあれ Clara Bow's IT (1927)

ゲーリー・クーパーが士官候補生のWhite役で出演した1927年の戦争映画の「つばさ(Wings)」に出演したサイレント映画のクララ・ボウ(Clara Bow)が出演した映画の題名はすごい意味シン!?

1923年の女性の敵
1924年の電光娘、楽園の毒草、玉を抱いて罪あり、酒!
1925年の昇天の意気、恋の鉄条網、叔父さん征伐
1926年のモダンガールと山男、人罠
1927年の恋人強奪、乱暴ロジー、赤ちゃん母さん、あれ
1928年の暗黒街の女、赤い髪
1929年のワイルド・パーティー、曲線悩まし
1930年の女房盗塁
1931年の女給と強盗
1932年のミス・ダイナマイト

なんとも妙な客寄せ的邦題ばかりですが、その中でも1927年のロマコメ映画の「あれ」はまさに英語の”It”です。
”イット”は意味シンなのです。”あれ”です。 どれ? あれ。

Clara Bow's IT
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映画の中の台詞にも出てきますがElinor Glyn(エリノア・グリン)というイギリスの女流作家が1927年に書いたエロチック小説に”IT”があるそうです。コンセプトは”IT”、基本理念は性的魅力。
お色気を武器にデパートの次期社長にアタックするデパート・ガールを描いたこの映画での「イット」はセックスアピールを意味します。「イット」に出演したフラッパー女優のクララ・ボウは「イット・ガール(The " it" girl)」と呼ばれて人気が上がったそうです。

Oh, the hot socks has "IT"
デパートのオーナーが狩りに出かけた後の任務を息子がかわったところ、デパートガールの間では王子様は「アレ」の持ち主だと評判となる。対する「アレ」の持ち主の女性はクララ・ ボウが演じるベティ。
If I ever saw 'IT', that's 'IT'!
次期オーナーであるウォルサムの友人のモンテイはベティに「アレ」があると好きになり、初めてベティを誘うのに「私の車で家まで送らせて頂けますか?」と申し出た時、ベティが「殿方とご一緒は嬉しいですが、私の車に乗って下さるなら。」と目の前に到着した二階建てバスにモンテイを押し込んだシーンが可笑しい。自家用車のお抱え運転手はバスの後をついて運転してきた。
ベテイはモンテイとの初デートに着ていくイヴニングドレスがないので普段着をジョキジョキとハサミで切って作りましたが、それを見たレストランの給仕長がすぐに気を利かせて一目に付かない隅っこに席をとったのです。冗談じゃないわ、とベテイは勝手にウォルサム氏が令嬢とその母上と座っている側の中央の席を分捕ります。このシーンで評判の小説”IT”の作者であるエリノア・グリンが登場します。(本物)
そこでウォルサム氏は”イット”とは何かと尋ねるのです。 「貴方に”IT”があれば愛する女性をものにできるのよ。」とグリン女史。
この後、どうやらウォルサム氏はベテイに性的魅力(セックスアピール)を感じたようです。
A couple of It-less 'ITS'!
ベティがウォルサム氏が好きなのを知ったモンティは仕方なくキューピッド役にまわった次第。
オーナーの息子とベティは赤ちゃん騒動で一度は誤解から仲違いしたが「過去は問わない、結婚したい・」と元に戻ってハッピーエンド。
実際はベテイに過去なんてないのです。ベティの友人のシングルマザーが福祉局の調査員から子供を取り上げられそうになるシーンで、開いたドアのところでこの騒ぎの記事をものにせんとメモをとっているハンサムな男性がいます。これがデビュー当時の若きGary Cooper(ゲーリー・クーパー)で新聞記者としてエキストラ出演しています。この映画の中で一番長身でいい男。この後続いて、ゲイリー・クーパーとクララ・ボウは「Children of Divorce(赤ちゃん母さん)」と「Wings(つばさ)」でも共演しました。お互い”あれ”があったのでしょうか。

Clara Bow - IT (silent)- YouTube
Clara Bow - The IT Girl (Photos)- YouTube
Clara Bow - Wings - YouTube
Gary Cooper - Wings - YouTube

私の子供の頃に詩も書いた大正浪漫の竹久夢二という絵描きが、確か大正4年に発売になったコロンだったと思いますが、化粧品のキャッチコピーを書いたレトロな広告を見たことがあります。当時でコロンというと”ヘチマコロン”でしょうか。もちろん夢二の挿絵(単純なモノクロ線画)付きです。 「とてもイットが懐かしい」
「イット」って何?と思いました。 「あれ」でしょうか。 「どれ」でしょうか。
ヘチマコロンは今現在でも販売されていて夢路のシールが付いているそうです。



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by koukinobaaba | 2008-07-03 21:06 | 映画
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