チリコンカルネ Chili Con Carne

大分前、何十年も前のこと、ジャズギタリストのケニー・バレル(Kenny Burrel)が作曲し演奏する”Chitlins Con Carne”という曲をラジオで聴きましたが、それ以来ずっと気になっていたのです。ケニー・バレルの1963年のLPアルバム「Midnight Blue」に収録されていたそうですが、CDでは「The Sky Is Crying」にも収録されてるそうです。
これは買わねばならぬアルバムなんです。すごいのです。
「Midnight Blue」
Kenny Burrell - Chitlins Con Carne - YouTube

シカゴ・ブルースのハモニカ奏者のジュニア・ウェルズ(Junior Wells)が1965年の人気アルバム「Hoodoo Man Blues」に”Chitlin con Carne”を収録しているそうです。
Junior Wells - Chitlin con Carne - YouTube

ケニー・バレルの名曲「チットリンズ・コン・カルネ(又はチタリンズとかチッリンズ)」の”Chitlins”とはChitterlingsともいわれる豚の臓物(小腸)のことなんだそうです。豚の臓物煮込み料理はルイジアナなどのブルース発祥のアメリカ南部で黒人が食していたソウル・フードなんだそうで、なんと臓物祭りまであるとか。植民地時代には豚などの家畜の臓物は奴隷たちに与えられたところから黒人の食文化となったようです。人種差別の激しかったアメリカでは”Chitlin”は黒人の代名詞の一つともなっていたようです。
一方、アルゼンチンなど南米では牛の臓物を使用した炒め物だそうです。私は食べられませんが、日本でもモツ煮込みやホルモン焼きは人気料理ですね。

ケニー・バレルの「Chitlins Con Carne」とタイトルが類似しているチリコンカルネ(Chili Con Carne)という曲があります。
トランペットが入っていたかも定かではないのに、私はてっきりラテンジャズのディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)あたりの演奏だと思っていたのですが、最近インターネットで調べてみたら、ドイツのギタリストで歌手でもあるエヴァルド・モンテノヴォ(Evaldo Montenovo & His Group)が演奏したチリコンカルネ(Chili Con Carne)がオリジナルであることが判明しました。

Evaldo Montenovo - Chili Con Carne
チリコンカルネはエヴァルド・モンテノーヴォのアコースティック・ギターと手拍子が特徴のブラジルのサンバ風ラテン・ジャズです。

”Samba Brim”が人気のEvaldo Montenovoのアナログ(Jazz)LPのTristeza(試聴可)に収録されていたと聞いたのですが、されていませんでした。

CDではEvaldo Montenovoの1969年のアルバム「Samba & Bossa Nova, Vol.2 - Yahoo! Music」や「The Best Of…」に収録されています。このほかにドイツレーベルのTelefunkenから「CATARATAS」というアルバムがリリースされているそうです。

チリコンカルネの試聴
☆Evaldo Montenovo & His Groupが演奏するChili Con Carneが試聴できるのはコンピレーション・アルバムの「Glucklich III」
同じくコンピレーションアルバムの「Rio By Night」のChili Con Carneも試聴できます。

最近ではスウェーデンを基盤とするアカペラ・ボーカル・グループのリアル・グループ(Real Group)が1994年にリリースしたアルバム「Nothing But The Real Group」や、1991年にイビザで始まったドイツのテクノ・ハウスのDJスティーヴ・バグ(Steve Bug)のミックスのアルバムで「The Flow」にもChili Con Carneが収録されています。

※Mas Que Nadaというラテン・ジャズのアルバムをリリースしている”オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)のチリコンカルネ(Chili Con Carne)”という情報も見つけたのですが、ロシア語のサイトなので実際にその情報があるのかどうかは不明です。
その気になる”文字列”を見たサイトを記しておきます。
Oscar Peterson Chili Con Carne - oxid.ru

スムース・ジャズのThe Mike Hatchard Enembleが演奏するアルバム「Late Last Night」に収録されている”Chili Con Carne
(私の場合はファイルを開くとiTunesで聴けました。)

Betty Blue Soundtrack
1986年に公開された「愛と激情の日々(37°2 le matin - Betty Blue)」という異色のフランス映画があり、1992年の「ベティ・ブルー/インテグラル(完全版)」と共に)ジャン=ジャック・ベネックス(Jean-Jacques Beineix)が監督し、ベアトリス・ダル(Béatrice Dalle)がベティを演じました。
音楽はガブリエル・ヤーレ(Gabriel Yared)でテナーサックスでも演奏されたテーマ曲の”Betty Et Zorg”、又”Zorg Et Betty”が印象的ですが、Chili Con Carneもサウンドトラックで使用されています。

Chili Con Carne Recipes
一般にチリコンカーンとも呼ばれるチリコンカルネというと、音楽よりもメキシコとアメリカ合衆国の境にあるテキサスなどで人気の豆料理としての方が有名です。メキシコでは唐辛子(チリペッパー)と肉の煮込み料理の”chile con carne”だそうです。よれよれレインコートを着たコロンボ警部も好物だったそうですね。

カウボーイの定番料理といえばチリビーンズ(うずら豆やいんげん豆)というシチューの類いだったそうですが、豆が入らないと単にチリと呼ばれるそうです。(つまり肉とチリパウダー)
作るには簡単で手間煎らず、おまけに安価なチリビーンズはカウボーイだけでなく軍隊や刑務所でも食されたでしょう。

それではチリコンカルネのレシピをご覧下さい。

材料(4人分)
肉(ひき肉) 300g~400g
ニンニクのみじん切り 大1かけ
玉ねぎ 粗みじん切り 大1個
ピーマン 粗みじん切り 2個
トマトの水煮缶 1缶 400g
ひよこ豆の水煮缶 1缶 450g
チリパウダー 大さじ2 (チリパウダーは、チリとオレガノの他にクミンなども混ぜたミックススパイス)
固形スープの素 1個
ローリエ(月桂樹の葉)、香菜(パセリ)
塩、コショウ
サラダ油、バター 各大さじ2

油とバターを熱した鍋に、ニンニク、玉ねぎ、ローリエを入れて、あめ色になるまで焦がさないように炒める。 20分ほど 
それにピーマンも加えて炒め合わせる。
次に肉を加えて強火で炒めチリパウダーを大さじ1加える。
トマトを崩しながら缶汁ごと加えるたら、固形スープの素を加えて15分ほど煮込む。
ひよこ豆を缶汁ごと加え、仕上げに残りの大さじ1のチリパウダーを加える。
塩コショウで味を調え、少し煮込むだら粗みじんに切ったパセリを散らす。

※ ひき肉の代わりに豚バラ肉の薄切り(1cm幅)や、ピーマンの代わりにカラーピーマンやセロリ、ひよこ豆の代わりに大豆やいんげん豆を使用することもあります。
要は肉とみじん切りのタマネギなどの野菜とトマトスープと豆を煮込むチリ料理で、ターメリックを入れないから黄色くない豆カレーのようなものです。ともかく肉とチリは入れねばなりません。(私はタマネギは微塵きりではなく千切りの方が好きですが。)

この後、私が作ったのは赤い金時豆を使った料理です。
厳密には金時豆は南米産のレッド・キドニービーンズ(赤いんげん豆)とは別物だそうですが近所のスーパーでも簡単に手に入る金時豆にしてみました。
500gで約500円くらいです。
ひと袋の半分量の豆をさっと洗ってから5倍ほどの水に4時間ほど浸けておきます。そのまま強火で煮てアクを取ったら中火で煮込んで柔らかくしておきます。
ニンニク一片のミジン切りを炒めてからローリエとタマネギのミジン切りを入れてじっくり炒めた後に牛のひき肉をパラパラになるまで炒めます。ここでチリパウダーを入れますが私はクミンを少々追加しました。煮汁を切った豆とトマトの水煮ひと缶とコンソメに塩胡椒をして煮たら出来上がり。チリが足りないようなら最後に加えます。トルティーヤがなかったのでオリーブオイルと塩味のパンで食しました。 美味い!

その後、一缶200円くらいの缶詰キドニーを購入してミネストローネを作りましたが、こちらも大好評で我が家の定番となりました。



追記:
私の娘が「チリコンカネル」じゃないの?というのでGoogleで検索すると、なるほど見つかりました。「ほらね!」と自慢げな娘でしたが、たったの100件でした。つまり娘と同じ間違いをする方がこの世に100人はいるということが分ったのです。
皆さん!チリコンカルネですよ!カネルじゃありませんぞ。
あれっ、どっちだっけ?



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by koukinobaaba | 2008-06-26 16:10 | 音楽
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