アニー・ジラルド Annie Girardot

海外の女優には美脚の持ち主がたくさんいます。

足長のアメリカ女優なら、昔なら2008年に亡くなったシド・チャリース(Cyd Charisse)、レスリー・キャロン(Leslie Caron)、ジュリエット・プラウズ(Juliet Prowse)、アンジー・ディッキンソン(Angie Dickinson)などを知っていますが、数年前に見たアメリカの美脚ランキングでは、ユマ・サーマン、ジェニファー・ロペス、キャメロン・ディアス、ティナ・ターナー、ブリトニー・スピアーズ、ヒラリー・スワンクあたりなんだそうです。まだまだ足長美女はいっぱいいますが。

ではフランスは? ジャンヌ・モロー?ブリジッド・バルドー?

フランス女優の中の美脚の一人が演技派女優のアニー・ジラルドなんですって。
パリの演劇学校の優等生で、本国フランスでは120本もの映画に出演した人気女優でしたが、1917年生まれで80歳代でも活躍しているダニエル・ダリューとまではいかず惜しくも80歳になろうとする寸前の2011年に79歳で亡くなりました。
アニー・ジラルドが生前約10年ほどはアルツハイマーを病んでいたそうですが、そのことは2006年頃に既に伝えられていました。
同じ28日になくなったハリウッド女優のJane Russell(ジェーン・ラッセル)と違って世界的にはメディアに大きく取り上げられていませんでした。

Annie Girardot (1931 - 2011)
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アニー・ジラルドは日本ではどれほど有名なのかは知りませんが、1957年にジャン・ギャバン(Jean Gabin)と リノ・ヴァンチュラ(Lino Ventura)と共演したギャング映画の「赤い灯をつけるな(Le rouge est mis)」が日本での映画デビュー作品でした。 が美脚が知れ渡ったのがその後の1960年のアラン・ドロン(Alain Delon)が出演した「若者のすべて」で娼婦役でした。映画のなかで美しい脚を惜しげもなく披露していました。
Annie Girardot in Rocco and his brothers - YouTube


「若者のすべて(Rocco e i suoi fratelli)」はイタリアのルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)監督の作品で、音楽がニーノ・ロータ(Nino Rota)という人間ドラマです。
あるイタリアの貧困家庭の息子たちが都会に出てボクシングで身を立てようとする話ですが、次男坊が恋する娼婦がアニー・ジラルドでした。姿を消した娼婦が出会ったのが三男坊のアラン・ドロン(Alain Delon)で恋に落ちます。それを知った次男坊の嫉妬が人生を変えてしまうという哀しいストーリーです。(その次男を演じたレナート・サルバトーリと一時結婚)
この映画は兄弟の愛を描いていますが、娼婦の人生はどうなるんだ、と思う映画です。
Rocco And His Brothers (1960) Trailer - YouTube

アラン・ドロンはこの「若者のすべて」の後に主演した「太陽がいっぱい(Plein Soleil)」で大ブレイクしましたが、ジラルドは1963年に「La bonne soupe(いっちょう頂き)」なんていう恋愛コメディに出演しています。若い時に勤めた店の若旦那にたぶらかされて娼婦となるも金持ちに拾われて酒場のマダムになる。そこのハンサムな給仕のジャコーとデートするが強盗騒ぎで流れ弾に当って彼は死亡する。すでに身ごもっていたマリーは次にお金持ちと結婚し平和な日々を送っていた。成長した娘をたぶらかした金持ち男ルシアン(クリスチャン・マルカン)に談判に行ったところ告白されてその気になってしまった現場に夫と娘が駆けつけて目撃。家から追放という憂き目に会う。そして今は知り合ったカジノの男性相手に過去の遍歴を語って居る。このカジノと酒に酔える身分となった女性”マダム・マリーポール”となったのですがまたもや「美味しいスープ」を求めて請われるままにヨットの客人となる。ジラルドは若いマリーをマダム・マリーポールは「舞踏会の手帖」のマリー・ベルが演じていますが、いくつかのシーンで過去のマリーと現在のマダム・マリーポールの顔合わせが興味深いです。過去から現在へ。
アニー・ジラルドはイタリア映画ではシルヴァーナ・マンガーノ(Silvana Mangano)主演のオムニバス・コメディ映画で1966年(1967年)の「華やかな魔女たち(Le streghe)」でエピソードは別ですがクリント・イーストウッドと出演しています。各セグメントの監督はルキノ・ヴィスコンティ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ヴィットリオ・デ・シーカ、そして女優の魅力を引き出す名人のマウロ・ボロニーニなどイタリア映画の巨匠たちです。

そしてアニー・ジラルドがアランドロンと再び共演したのが、1961年の「素晴らしき恋人たち(Amours célèbres)」と、悪役を演じたドロンのヌードがいっぱいでショックな1972年の「Le Choc(ショック療法)」と1975年のジプシをテーマにした「ル・ジタン(Le Gitan)」でした。アニー・ジラルドは暗黒外のボスの馴染みの宿屋の女将を演じています。

「ショック療法」ではアランドロンが演じる二重人格の医師が経営する人里離れた療養所で衰弱した神経を治す治療を受けようと訪れた有閑マダムの役を演じたのがアニー・ジラルドです。若返りの治療が素晴らしいその療養所で殺人事件が起こり、マダムは恐ろしい秘密を知るのです。ドロンの全裸シーンと共にショッキングな療養所の秘密でした。もっと怖いのは真実を伝えても精神を病んでいることにされて取り合って貰えないことです。
Traitement de choc - YouTube

1962年にはロジェ・ヴァディム(Roger Vadim)監督の「悪徳の栄え(Le vice et la vertu)」でアニー・ジラルドはカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)と共演し、ナチ将軍の情婦役を演じました。
Le vice et la vertu - YouTube

アニー・ジラルドは情婦や娼婦の役が多いですが、1965年のマルセル・カルネ(Marcel Carné)監督の「マンハッタンの哀愁(Trois chambres à Manhattan)」ではモーリス・ロネ(Maurice Ronet)とハッピーエンドを迎える元外交官夫人の役でした。映画音楽はMartial Solal(マーシャル・ソラル)ですが、マル・ウォルドロン(Mal Waldron)の”レフト・アローン(Left Alone)”が使用されています。ロマンティックです。
ロマンティックといえば、1969年に音楽をFrancis Lai(フランシス・レイ)が担当したClaude Lelouch(クロード・ルルーシュ)監督の「Un Homme Qui Me Plait (あの愛をふたたび)」ではJean-Paul Belmondo(ジャン・ポール・ベルモンド)と共演しました。

セクシーな女は卒業して母親役が多かった近年でしたが、George Sand(ジョルジュ・サンド)の小説の映画化で2004年のTV映画「La Petite Fadette(愛の妖精)」に出演して活躍していた1931年生まれのアニー・ジラルドでした。


Annie Girardot - Vivre pour vivre - YouTube
Annie Girardot Photos - YouTube
Annie Girardot Photos reading Jacques Prévert (Pour faire le Portrait d'un Oiseau) - YouTube

アニー・ジラルドは低音の魅力で歌も歌います。
La Discopraphie d'Annie Girardot



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by koukinobaaba | 2008-06-23 00:03 | 映画
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