駒形どぜう

私の実家の菩提寺は浅草にあります。  禅宗には臨在、曹洞、そして黄檗と3つあります。その中でも又派があるのですが、うちの寺は京都の南禅寺のように、禅宗の臨在宗です。 ちなみに現在の嫁ぎ先は臨在と師弟関係にあるとかいわれる黄檗宗です。 私たち夫婦は座禅道場で知り合いました。(うっそー!)
菩提寺では座禅会を開いておりますが、実はわたくし座禅なんて唯の一度も組んだことがありません。無意味を意味とみなす私には少々合っているかなと思う程度で、自分で選んだわけでもなく生まれてから通っているのです。 しかし、無念無想の難しさ!邪心も煩悩も振り払うことはできませぬ。これぞ俗人。

ところで、先日お彼岸で墓参りに行きましたが、楽しみはその後のお食事です。
いつものように浅草の駒形どぜうに行きました。 以前はすき焼きやステーキを食べに”お肉といえば、雷門の松喜(まつき)”や駒形の天然ウナギの前川になども行ったことがありましたが、今は”どぜう”ばかりです。
松喜   前川

駒形どぜう
浅草は雷門近くの江戸情緒たっぷりの店の前には赤い毛氈をひいた縁台がいくつか置いてあるほど昼時などは「行列のできる店」で、ちょっと前までは店内の入り口で半被を召した社長さんが下足番をされていました。もうお見えではありませんが、私はテレビで知る前はずっとその社長さんを普通に”下足番のおじいさん”だとばかり思っていました。現在の六代目当主は見たことはありませんが、40歳代の渡辺孝之さんだそうです。
時代劇風なので最近は外国人やお江戸ツアーのはとバスの観光客が多いです。
駒形どぜうが含まれるはとバス観光の「東京下町物語」という6時間コースは9千円くらいらしいです。


歴史的仮名遣ひでは”どぢゃう”と書くのでせうかね。
ドジョウは”土に生まれる”からその名がついたらしく、土を食う(?)お魚版のミミズみたいなもんですから泥臭いのです。どじょうの泥を吐かせるにはカツ丼ではなく酒です。
どじょうは産卵期前の6月~7月が一番美味いそうですから、夏ばて防止にはやっぱりどぜう

店内の1階は主に桟敷(さじき)、つまり座敷でお膳というより分厚い板が何本も並んでいます。 不調法な私は屈むようにして食べるので大変ですがなんだか江戸時代にいるような雰囲気です。 今はテーブル席の一部にガスコンロが取り付けてありますが、以前は全部炭を使用していて、熱い十能を手に女中さんたちが甲斐甲斐しく動き回っていました。 調理場近くの廊下にどじょうがうにょろにょろと樽のなかでうごめいていたという記憶があります。 ギャッ!

駒形どぜう
浅草本店の他に渋谷店も出来たそうです。

どじょう料理には骨も頭もついた”マル”と頭と骨を取って開いた”ヌキ”があります。
実際、私は白魚(白子)以外はめざしも頭からは頂きませんので、いつも柳川ばかりです。
※ちなみに柳川とはどじょうを煮る浅い土鍋のことで、江戸時代に福岡の柳川の誰かさんが朝鮮(当時は韓国とはいわない)から学んだのだそうです。
大変浅い土鍋で少量ですから、若い時には「こんなちっぽけ!腹の足しにならん!」と思っていました。最近おだしの味がちょっと濃い目に感じるのは歳のせい?
だいたい一品のお値段は1500円くらいです。

どぜうの柳川とはささがき牛蒡を敷いた上に開いたどじょうを乗せ卵で綴じた土鍋料理です。
私はトウシロなのでどじょうの頭が無いといっても蒲焼なんか嫌です。
どぜう茶漬けもイヤ!どぜう汁もイヤ! どぜうの蒲焼はイマイチ。
でも通の方々は私の嫌いなものに舌鼓を打つのです。 ポン!

なんといっても、駒形どぜうの一番人気はまるごとのどじょうが白眼を剥いて並んでいる「どぜう鍋」で、刻み葱を山盛りにしてグツグツ煮てから、山椒や一味をぶっかけて食します。そしてドジョウにつきものと注文するのは京都・伏見のふり袖、これを升酒でグビっとやりながら頂くと美味しいらしい。酒のお代わりは女中さんが酒瓶を持って来て升の下に敷いた皿に溢れ出るほど注いでくれます。 お~っとっと!

魚類の頭が嫌いな私は”まる鍋”のどじょうの頭を取って貰って試食したことがあります。(お行儀が悪いですが) どじょうは頭さえなけりゃ、骨も当たらず本当に美味しいです。 hehe
※どぜう鍋は生きたどじょうを無理やり酒攻めにして酔っ払わせるのだそうです。臭みが抜けて骨も柔らかくなるそうですが動物愛護協会が聞いたらクレイムをつけるかも。

☆宣伝されていませんが、お土産には小判型(楕円)のわっぱに入った”どぜうの佃煮”がお勧めです。 どじょうとアサリと牛蒡の詰め合わせですが美味しいの何のって、これだけでご飯が頂けるほどです。お会計の時にお求め下さい。
おっと!確か夏場だけの季節限定のどぜうの腹子(たまご)の佃煮も忘れちゃいけません。(少ないから隠してある?)

「駒形どぜう」は私が責任をもってお勧めします。

最近は店の前に”くじら”のノボリが旗めいたおります。
いまではどぜうのみならず、今では捕鯨全面禁止のきざしも見えるくじらも食べさせてくれるそうです。鯨は「くじらなべ」や「さらしくじら」として100年も前から食されていたのだそうですが、現在は大型のシロナガスクジラの調査用に捕獲したものを使用しているとか。
駒形どぜう ブログ

追記
2012年1月に行った時に感じたこと。
丸鍋のどぜうがちっちゃくなった。季節のせい?
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by koukinobaaba | 2007-03-27 12:04 | 面白記事
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