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エドマンド・デュラック Edmund Dulac

エドマンド・デュラックは20世紀のはじめ頃の「絵本の黄金時代」イギリスで活動したフランス出身の挿絵画家です。

Edmund Dulac (1882年 - 1953年)
同じくイギリスの挿絵画家というと「Peter Pan in Kensington Gardens(ケンジントン公園のピーターパン)」のような御伽噺だけでなく、Edgar Allan Poe(エドガー・アラン・ポー)の作品など大人向けにも挿絵を提供してきたArthur Rackham(アーサー・ラッカム 1867年 - 1939年)が好きですが、Pall Mall Magazine出版社でラッカムの後輩なったのがエドマンド・デュラックです。
エドマンド・デュラックはフランスで美術を学んだ後、挿絵の仕事のためにロンドンに行きました。丁度その頃はイギリスで印刷技術が進化してきて、特殊な紙を使用すれば色刷りが大量にプリントでき、なおかつ原画にほぼ忠実な色調を再現できるようになったのでデュラックにとっては好機だったといえるそうです。

Edmund Dulac's Fairy Book
デュラックが22歳の時、シャーロット・エミリー・アンのブロンテ姉妹の全集「Brontë」の60枚ほどの挿絵をが手始めとして、少々漫画チックでカラフルな1907年の「The Arabian Nights(千夜一夜物語)」やその後の「アンデルセン童話集」などたくさんの色刷りの挿絵を手掛けました。 アーサー・ラッカム同様にエドガー・アラン・ポー作品の「The Bells(鐘のさまざま)」にも妖気漂う挿絵を提供しています。 主にカラーの水彩画やエッチング(銅版画)などで浮世絵風の「Urashima Tarō(浦島太郎)」からHans Andersen(アンデルセン)童話の中国の「Nightingales(夜なきうぐいす)」、そして素晴らしい「One Thousand and One Nights(アラビアンナイト)」などのエキゾチックな画風が見る人の心を奪います。
エドマンド・デュラックの画風や色調は一様ではありませんが、私が特に好きなのは羽を背中につけた妖精たちです。
そんなエドマンド・デュラックは戦後は豪華絵本が衰退して金欠状態が続いたせいか、挿絵以外に色々なことに手を染めたそうです。
週刊誌に似顔絵を提供したり、肖像画を請け負ったり、切手のデザインやら舞台装置や衣裳を担当したり、トランプ・カードやらチョコレートの箱のデザインまで多くの分野で仕事をしています。エドマンド・デュラックの絵がプリントされたチョコレート・ボックスなんて欲しいです。

Dulac's Fairy Tale Illustrations in Full Color
下記の画像は御伽噺(童話)の「Cinderella(シンデレラ)」の挿絵ですがこのペーパーバック本にはアンデルセンの「Little Mermaid(人魚姫)」や「The Garden of Paradise(パラダイスの園)」や「The Snow Queen(雪の女王)」の他、William Shakespeare(シェイクスピア)の「The Tempest(テンペスト)」、アラビアンナイトの「Aladdin(アラジン)」、フランス昔話の「Beauty and the Beast(美女と野獣)」や「Sleeping Beauty(眠り姫)」、それに日本の昔話の「浦島太郎」までも収録しています。)
エドマンド・デュラック Edmund Dulac_b0002123_23392738.jpg

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☆ 英語のサイトですが、美しい挿絵が見られてエドマンド・デュラックのバイオロジーが書かれたEdmund Dulac - Bpib.com
by koukinobaaba | 2011-03-26 23:30 | 面白記事
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