Irving Penn(191年 – 2009年)
アーヴィング・ペンは昨年の秋に92歳で亡くなったアメリカの写真家で、服飾(ファッション)やポートレート(芸能人の写真)が有名です。 「Harper's Bazaar(ハーパース・バザー)」のアートディレクターだったアレクセイ・ブロドビッチに師事、初期のイラストや静物絵画の作品は「Harper's Bazaar(ハーパース・バザー)」で採用されたそうです。 その後、ファッション雑誌「Vogue(ヴォーグ)」の表紙を手掛け、そのモダンで斬新な写真が有名になりました。第二次世界大戦後にスーパーモデルと結婚したアーヴィング・ペンはパリコレなどの魅惑的なファッション写真を専門とし、1953年には自分のスタジオを開設して撮ったシンプルなモノトーン調の背景や効果的な間接光を使用した作品群は他の写真家のなかでも際立っていました。つまり景色などの背景はいっさいなし、全てが灰色のスクリーンをバックに写されたのです。焦点は衣装のみ。ただしセレブのポートレートは顔だけ。 Irving Penn Photography - Slide Show - YouTube 新しいスタイルの写真家として評判となったアーヴィング・ペンの最も有名なシリーズとしてはポートレートがありますが、人工光線を使ったテクニックは後世の写真家の手本となりました。 画家のPablo Picasso(ピカソ)やGeorgia O'Keeffe(オキーフ)、映画女優のMarlene Dietrich(ディートリッヒ)やAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)などがよく知られています。 後にアートに傾倒し写真の古典技法といわれるプラチナ・プリントなども製作しています。芸術的なプラチナプリントのなかでも 1971年に製作された”Cuzco Children,1948”は2008年に開催されたクリスティーズのオークションで驚きの約52.9万ドル(約5819万円)で落札されたそうです。 私は見学していませんがアーヴィング・ペンの作品展は1999年に東京都写真美術館で展示されたそうです。 ※プラチナプリントとはプラチナ・パラディウム・プリントのことで、大量生産が可能なシルバープリントとは違い、手間がかかるだけモノトーンが美しいプリント方法だそうです。プラチナの自然な金属反応を利用した現像は100年以上の歴史があるそうですが現在では幻に近くなってしまったとか。 アーヴィング・ペンといえばジャズ! でもないですがアーヴィング・ペンはアーティストのポートレートとしてトランペッターのMiles Davis(マイルス・デイヴィス)も取り上げています。マイルス・デイヴィスの顔や手とトランペットの写真が有名ですがマイルス中期のアルバム「TUTU」のジャケットのマイルス・デイヴィスの顔写真はアーヴィング・ペンの作品だったのです。 アーヴィング・ペンの顔写真とBrigitte Bardot(ブリジット・バルドー)やMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)など有名女優のポートレートなどの作品が見られるサイトをリンクしたいのですが私が使用しているブラウザ”Google Chrome”では「フィッシング警告」が表示されてしまうので残念ながら取りやめました。(過去にFacebookにアクセスしようとすると表示されたこともあったとか。) ポートレートの代表的な1枚、Marlene Dietrich(マニーネ・ディートリッヒがトップページで、サイトに入る(メニューのExhibition)とAlfred Hitchcock(ヒッチコック)が、BOOK NOWをクリックするとRudolf Nureyev(ルドルフ・ヌレエフ)見られるIrving Penn Portrait - National Portrait Gallery アーヴィング・ペンの作品集の一部が見られるアーヴィング・ペンの写真集リスト ※日本のAmazon.co.jpで見つかるアーヴィング・ペンの写真集には「Irving Penn Portraits」をはじめ、「Still Life: Irving Penn Photographs 1938-2000」や「Irving Penn: Small Trades」などのハードカバー書籍があります。 ちなみにアーヴィング・ペンの息子はデザイナーになったそうですが、下の弟は映画監督のArthur Penn(アーサー・ペン)なんだそうです。アーサー・ペンといえば60年代ファッショナブルな映画の「Bonnie and Clyde(ボニーとクライド/俺たちに明日はない)」は実に強烈でした。 Tweet
by koukinobaaba
| 2010-04-10 20:26
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